3月17日の取引結果と夜間PTSの動きを分析し、3月18日の値動き予測を行いました。高配当発表後の最初の取引日となった3月17日の値動きから、各投資主体者の行動パターンを読み解き、翌日の展開を予測します。

 

3月17日取引の主体者分析

主体者別の取引行動分析

3月17日の株価は寄り付きで大きく上昇(+35円程度)したものの、その後下落し、最終的には602円(+22円)で取引を終えました。この値動きを主体者別に分析します。

1. 高配当狙いの現物買い投資家

  • 取引行動: 寄り付き前後に集中的な買い注文を出した
  • 動機: 50円の配当金(利回り約8.5%)を獲得するための投資
  • 影響: 寄り付き株価の上昇(+35円程度)の主要因
  • 取引量: 出来高の30~40%程度と推定

株式掲示板でも「配当目的で皆買ってくれたら嬉しいな〜」という書き込みや「楽天証券のほうでも50円配当とでてますね」といった配当確定を喜ぶコメントが見られました2

2. 信用買い投資家(350万株保有)

  • 取引行動: 寄り付き後の高値で利益確定売りを実施
  • 動機: すでに含み益がある状態で、高配当発表による株価上昇を受けた利益確定
  • 影響: 寄り付き後の株価下落要因
  • 取引量: 約30~40万株の返済売りを実施したと推定

掲示板には「ここ現物と信用で温度差違いすぎて何を考えて信用買い350万積み増してるかわからん」との投稿もあり2、信用買い残の多さが投資家の注目を集めていることがわかります。

3. 機関投資家(250万株の信用売り)

  • 取引行動: 株価上昇局面での追加売りと一部の買戻し
  • 動機: 株価上昇による損失拡大防止と配当確定前の戦略的ポジション調整
  • 影響: 午後の株価抑制要因
  • 取引量: 約5~10万株の追加信用売りを実施した可能性

一部投資家からは「多分機関は両建て」との見方もあり2、機関投資家が複雑な取引戦略を採用している可能性も示唆されています。

 

3月17日の値動きパターン分析

寄り付きから終値までの値動きは以下のように分析できます:

  • 寄り付き(9:00前後): 配当狙いの買いが集中し、前日比+35円程度の大幅高で始まる
  • 午前中(9:30-11:30): 信用買い投資家の利益確定売りが入り、株価は徐々に下落
  • 昼休み前後(11:30-12:30): 一時的に値動きが落ち着く
  • 午後(12:30-14:30): 機関投資家の売り圧力と配当狙いの買いが拮抗
  • 引け前(14:30-15:00): やや買い優勢となり、602円で取引終了
  • 夜間PTS(15:30以降): 608円まで上昇し、再び買い優勢の展開

 

信用買い残は利益確定売りにより減少したものの、新規の配当狙い投資家の買いも入った可能性があるため、大幅減とはならなかったと推測されます。信用売り残は、一部機関投資家の損失回避のための買戻しがあった一方で、権利落ち後の下落を見越した新規の信用売りも発生したため、わずかに増加したと考えられます。

 

3月18日(火)の時間ごとの値動き予測

3月17日の値動きと夜間PTSの上昇を踏まえ、3月18日の時間帯ごとの予測は以下の通りです:

9:00-10:00(寄り付き〜午前前半)

  • 前日夜のPTS上昇(608円)を受けて、寄り付きは605-610円程度と予想
  • 配当狙いの買いが継続する一方で、前日ほどの勢いはない
  • 株価推移:605円→610円(小幅上昇)

10:00-12:00(午前後半)

  • 一時的な高値圏での推移後、信用買い投資家の利益確定売りが入る
  • 機関投資家も高値圏での売り増しを実施
  • 株価推移:610円→605円(小幅調整)

12:30-14:00(午後前半)

  • 配当狙いの継続的な買いと機関投資家の戦略的売りが拮抗
  • ボックス圏での推移となる可能性が高い
  • 株価推移:605円→608円(小幅上昇)

14:00-15:00(引け前)

  • 引け前に権利取得を目指す買いが若干増加
  • 終値は前日比プラスとなる可能性が高い
  • 株価推移:608円→612円(引け際上昇)

時間ごとの株価変動予測グラフ

 

分析の根拠と考察

この予測は以下の要因に基づいています:

  1. 配当狙いの継続的な買い需要
    • 8.5%を超える高配当利回りは引き続き投資家の注目を集める
    • 権利確定日まで約10日間あり、まだ買いの余地がある
  2. 信用買い残の動向
    • 利益確定売りは継続するが、一巡したため急激な下落要因とはならない
    • 「仮に今後上がらない場合、50円配当を見越して信用買いしていた方々は、思うような値動きをしない場合は買値を割らない限りは現引するのが妥当」という見方もある2
  3. 機関投資家の戦略
    • 権利確定日前の戦略的ポジション調整が継続
    • 権利落ち後の下落を見据えた信用売りポジションの維持または拡大が想定される

3月18日の展開は、これら主要投資家の思惑が交錯する中で、若干の上昇基調を維持しながら推移する可能性が高いと予測されます。

この分析は現時点での情報に基づいており、市場環境や新たな材料が出れば、予測と異なる展開となる可能性があることにご留意ください。