先日、庄司紗矢香・カメラータ・ザルツブルクのモーツアルトバイオリン協奏曲第五番を聴きに行った。とてもリラックスした雰囲気で庄司紗矢香はグレーのパンタロンにオレンジ色のニットの様な服、そしてバレーシューズのような軽そうな靴を履いて登場した。オーケストラは指揮者がいなくて第一バイオリンの人がリードしていた。舞台の中央に庄司紗矢香が立ち、周りをオーケストラが取り巻くと言うスタイルだった。オーケストラの人達は皆黒の服装だった。

 この時は自分の席はステージから八列目だったのでソリストの表情がとてもよく見えた。今まであまり気にしていなかったのだが、どのような表情で演奏しているかがとても良く見えた。無論その演奏からも感じてはいるのだが、表情から伝わる感情が聴いている方に相乗効果で迫ってきてとても感動した。交響曲でも指揮者や演奏者の身振り手振りや表情からも感じるのだが、今回はソリストが客席を向いて演奏しているのでより強く伝わってきた。

 第一楽章の時はあまり大きく動かなかったが第二楽章になって感情がこもってくると体全体が大きく動き、前に競り出てきたり、下がったり左右に動いたりと、静かに踊る様に弾いていた。表情も目を瞑り、悲しげな表情になったり、寂しげになったりして、繊細な高音のバイオリンの音の強弱に合わせて聞いていると、心に強く響いた。第三楽章のトルコ風が始まると、それは楽しくそして激しく、目一杯の音を出して盛り上がった。

 やはり協奏曲の時は奮発してステージに近い席で聴くのが良いとつくづく思った。それとクラシックのコンサートというとややかしこまった感じがするが、今回のように演奏家がリラックスした感じでいると聴く方もリラックスして聞けた感じがする。とても楽しかった。