もうすぐ中秋の名月
今年の”中秋の名月”は9月25日ですが、今年は満月ではありません。満月の二日前のやや欠けた月です。これは珍しいようで多くは満月になるとの事です。中国では中秋節と言って古来から大切な行事で、提灯を軒に飾ったり、池に浮かべたりして月を愛でる習慣がありました。今は国民の休日になっている大切な家族団欒の日であるそうで、まん丸の月のように家族円満を月餅を食べてお祝いするそうです。 日本では収穫の時期に重なるということで、ススキと月見団子を飾って月を鑑賞し、収穫を祝う意味があるそうです。また日本独特の行事として一ヶ月後の”十三夜”という観月の行事もあります。今ではあまり知られていないですが、欠けた月を鑑賞して楽しむ習慣で、この頃に収穫を迎える栗や里芋を食べるそうです。この月の形の変化を楽しむというのも日本独特の無常感に通じるのでしょう。また村田珠光も行っているように、”月も雲間のなきは嫌にて候”という感覚もワビの精神でしょう。茶の湯では完全よりも、何か欠けている物に面白さを感じるという美意識が貫かれています。利休はわざわざ香炉の足を欠いたと伝えられ、織部は茶碗を四つに割って繋ぎ合わせたといいいます。 月を鑑賞するために特別に建てられた建物で有名なのは、桂離宮の観月亭が有名です。桂は月に生えるとされている木ですから、名前からしても月がテーマの離宮です。また銀閣寺も月見が大きなテーマになっています。大名が建てた茶室では松本城の月見櫓、松江の不昧が建てた観月庵があります。城にこのような月を見るための建物があるということは正に平和な時代の象徴のようです。 秋の涼しい季節は茶会の季節でもあります。月をテーマに色々な趣向の茶会が開かれてきましたし、開かれるでしょう。無論茶会は楽しいのですが、自分の家でススキと月見団子を飾って、家族でお茶を点てるのも楽しみです。