療育教室 楽しい広場

療育教室 楽しい広場

言葉が遅い、多動やパニックなどの行動に課題があるなど、発達に不安のある子どもさんの、発達を伸ばし、行動を改善していくための、指導や発達相談を行っています。

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 これまで、発語が遅れる原因として考えられることとして、5つのことを挙げ、説明をしてまいりました。今回は、「その他」です。この「その他」というのは、これまでの、楽しい広場に来ていただいた、発語に遅れのある子どもさんの範囲の中での、という意味です。発語の遅れの原因は、たぶん、もっとたくさんあるのだろうと思われます。そういう意味での、「その他」と言うことを、ご理解ください。

 今回の「その他」の考えられる原因、つまり、これまでの5つの内容以外の考えれる原因は、2つあります。それを説明します。

1 原因が特定できない

 これは、子どもさんの成長事例として、以前に取り上げた、3才5カ月で発語がほとんどない女の子どもさんのケースです。

 1才2か月から喃語が出始め、その後、「にゃんにゃん」「あはっは」など、言葉が少しずつ出ていたのですが、2才3カ月ころから、急に言葉が出なくなりました。今回、取り上げた、5つの内容は、すべてあてはまりませんでした。途中で急に言葉が出なくなったので、お母さんも広汎性発達障害や自閉症を心配されていましたが、良くも悪くも、人の様子を伺いながら、人を見て行動してできていましたので、その心配はありませんでした。また、知的な発達に関しても、発語は、ありませんでしたが、「食べる・飲む・走る・洗う」などの動詞の絵カードを、5~6枚の中から、正確に取ったり、指差しができていましたので、知的な遅れはない、と判断しました。

 当時、お子さんの表情はとても固かったのが印象的でした。お母さんによると、2才3か月当時、下の妹さんを妊娠しているときで、体調もあまりよくなく、お母さんが神経質になったのが、原因になっているのかと考えることがある、と話されていましたが、そういうご家庭もたくさんあるでしょうし、そういう時、子どもさんの発語が遅れるという、話もあまり聞かないので、それが原因とは、特定できませんでした。


 結局、この場合は、原因は特定できないが、「発達の条件さえ整えば、言葉は出る。」でると考え、指導を進めて、4ヶ月後には、お母さんがメモを取りきれないほど言葉が増え、7カ月後には、幼稚園のお友達とおしゃべりをできるようになりました。

 

2 息が吹けない

 このケースは、10月下旬に、4か月間の指導が終了した男のお子さんの場合です。

 このお子さんは、3才11カ月で言葉が全く出ていませんでした。お母さんのお話によると、10カ月ころ、それまで、喃語も出ていたそうですが、そのころ、頬に腫瘍ができて、その手術をしてから、全く言葉が出ていないとのことでした。このお子さんは、表情も豊かで、人とかかわることも大好きで、要求などの表現は、サインのようなジェスチャーで伝えることができていました。

 この子どもさんの指導を始めるにあたって、絵カードを見せながら、指導者の伊澤が一つずつ発音をしていき、後につづいて、発音をしようとするかどうか、見てみたところ、こちらが発音をした後、発音したい意欲はあるのですが、最初に一瞬、息を吸うように見え、それで、息が出てこないのではないかと思われました。そこで、2回目の指導のときに、ろうそくに火をつけて、それを吹き消すのをしてもらったところ、やはり、吹き消すことができず、ティッシュを細長く破いたものも、吹いて揺らすことができませんでした。

 このお子さんの場合、しゃべろうとするときに、一瞬、息を吸う癖がついていて、息を出して言葉を出すということが、できていない状態でした。その後週1回の指導で、ろうそくの火を吹き消すことや、ティッシュを細長く破いたものを息で揺らすことができるようになり、毎回続けた、50音それぞれが入った絵カードの発音練習の結果、4か月後には、50音ほとんどはっきりと発音できるようになり、「かめ」などの2音の言葉、「つくえ」などの3音の言葉、「ひまわり」などの4音の言葉もはっきり発音できるようになりました。また、お母さんが「何食べたいの?」と尋ねたところ、「ラーメン」と答えることができ、最小限の会話ができるようになりました。

 

★現在のところ、楽しい広場として把握している、発語が遅れる原因は、これまで5回にわたって説明をいたしました5つの内容、及び、今回の2つの内容です。でも、今後の相談や指導を通じて、考えられる原因が増えることも考えられます。その時は、また、改めて、説明をいたしたいと考えております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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=> 発語が遅れる原因として考えられること その6: その他~「原因が特定できない」「息が吹けない」