民俗学のすすめ(1) | 晴耕雨読 -田野 登-

晴耕雨読 -田野 登-

大阪のマチを歩いてて、空を見上げる。モクモク沸き立つ雲。
そんなとき、空の片隅にみつけた高い空。透けた雲、そっと走る風。
ふとよぎる何かの予感。内なる小宇宙から外なる広い世界に向けて。

今週末9月17日(土)阪俗研2016秋セミナーの
第一講で「民俗学のすすめ」を話します。

テキストの
福田アジオ・宮田登編、1983年
『日本民俗学概論』吉川弘文館を
ひととおり目を通しました。


やっぱり発見はあるものです。
それは宮田登先生が執筆された
最終章《25 民俗学研究法》の
「民俗研究の課題」にありました。
冒頭から紹介します。
●民俗に関心をもち、
 これを研究対象にしようとする者にとって、
 まず大切なことは、どのような問題意識をもち、
 研究に取り組むのかということである。
 民俗といったり民間伝承といわれる内容は、
 私たちの身近な日常生活の営みの中に発見される。


民俗学の研究対象は
「身近な日常生活」の中に転がってます。
ただ、あまりの平凡なことで
気づくかどうかです。
具体的には何でしょう?


引用文を続けます。
●本書の各章で論じられてきているように、
 それはたとえば祭りであったり、
 昔話であったり、
 食物であったりする。
 個人個人の関心のおもむくところ、
 多様な民俗の側面は、
 つねに研究の対象として成り得るだろう。


祭り、昔話、食物。
子どもの頃のお祭りは
今、どうなっているのでしょう。
氏神さんの木立には
何やら不思議な伝説が語られてました。
お祭りの宵は
普段とは違う物を食べ、
浴衣を着て
真っさらの下駄を下ろしてもらいました。
これを郷愁の世界としてエッセイを
書くのも一興ですが、

これを研究の対象としませんか?

この続きには
お地蔵さんの話が出てきます。


究会代表 田野 登