【希望とは何か?】

「希望のつくり方」(玄田有史 岩波新書2010)のなかで、希望とは四つの柱から成り立っていることがわかったと言われています。一つ目はwish「気持ち、思い、願い」、二つ目はsomething「あなたにとって必要な何か」、三つ目はcome ture「実現」、四つ目はaction「行動」です。
Hope is Wish for something to come True by Action.

希望学と呼ばれるこの講義内容は、この希望の柱が必要な人には届いているでしょうか。わたしたちは「希望を持ちなさい」と大人たちから言われる子ども時代を過ごしました。子どものころに描いた‘希望’は、気持ちであることが多く、必要な何かや実現する力、行動の仕方を大人たちは教えてくれません。

大人になったわたしは、有名なスポーツ選手や芸能人だけでなく、一般の人たちも少なからず希望を叶えてきた経験があることを知っています。大多数の普通と呼ばれる学生時代を過ごす人たちは受験という希望を叶えてきました。次に車やバイクの免許を取るという希望を叶えたり、就職するという希望を叶えてきました。大多数の人が通るこの希望は、必要なお金や時間、実現したときの実際の生活、そのためにすべきことをマニュアルにして語り継がれています。
それらの希望に果たして気持ちがあったかどうかは、個人によって違うのでわかりませんが、マニュアル化された希望の叶え方はよく知っていて多くの人が実現できたのではないでしょうか。


◆希望という道筋
わたしは大学の恩師の講義のなかで、希望というものが道筋であると教わることができました。とても衝撃を受けたことを覚えています。詳しい内容はメモがなく書き出せませんが、わたしの中での理解は夢というvisionであれば、希望というの道筋が必要だということです。夢が気持ちや願いのひとつで、希望がそれを叶えるための道筋です。前述の希望の四つの柱を活かせば希望は一歩一歩前へ歩いて行くことができます。
この理解が、夢と希望の違いを明白にした出来事となります。それ以来、気持ちだけでなく希望の道筋を考えたり計画立てたりすることができるようになりました。
それが、少数の、普通でないと言われる夢や希望を持ったときの唯一の教えとなります。
今の時代、大学へ進学して、就職をするばかりが全てではないことは誰もが承知していることですが、本人が「普通ではない」と思い込んでいたり、誰も教えてくれない道筋に迷子になって途方に暮れることが、10年前のわたしのように他のだれかにもあるかもしれません。
そして、10年経った今でも迷子になり途方に暮れることがあります。そんなときのために、他のだれかのために今、この文章を書いています。カタチのないなにかを掴むために言葉はとても重要だと考えます。


◆捨てない希望
20歳の人に30歳の人は「若いね、これから楽しみだね」と言います。30歳の人に40歳の人は「まだまだ若いね、やりたいことやりなさい」と言います。やりたいことを叶えてきた大人の先輩たちは、「なんでもやってみなさい」と言います。やりたいことを叶えることを諦めた大人の先輩たちは「なんでもやった方がいいよ」と言います。いま諦めたり捨てようとしている希望も、大人の先輩の経験上、将来的にはやった方がいいんです。
ここでわたしが大事だと思うことは、やりたいことを叶えてきた大人の先輩たちは、「どうせ失敗もするだろうけど、絶対に楽しいからやりなさい」と失敗すらも見守ってくれることです。いろんな事情や失敗するからと思い捨てようとしている希望も持ち続けても大丈夫です。持っているだけなら失敗しません。行動して初めて失敗もあるかもしれないけれど、それでも捨てない方がいいのです。


◆バカにされる希望
もしかしたら、わたしがそうだったように、自分の夢や希望を友人、知人、家族からももしくは全く知らない赤の他人ばかりの世間と呼ばれる社会からもバカにされるように感じることがあるかもしれません。それは実は間違いだったことをいまのわたしは知っています。自分の夢や希望をバカにしていたのは自分で、今でも自信のないときにはバカにしてみるのです。行動しない言い訳をたくさんつくるのです。
そんなときに周りからの言葉は、ただの質問であっても批判に聞こえてしまいます。自分以外の人はその希望の道筋を知らないし、知ってもらう努力をしない限りは永遠に続く風景なのです。
周りの人にとっては結果がみえて、説明されて初めて理解できる出来事なのです。


●希望の持ち方
だれもが希望を持ち続けた方がいいとは全く思いません。希望を持ちたいときには、持った方がいいと思うので、わたしが学んだ希望の持ち方をまとめます。
まず希望の四つの柱のwish「気持ち、思い、願い」、something「あなたにとって必要な何か」come ture「実現」action「行動」をできるだけ具体的にリストアップすることです。できれば紙に書き、それを保管しておきます。それだけでも、物質的に「希望を持っている」となれるのでおススメです。希望はいくつでも持てます。持っていれば、その道筋にチャンスがいくつもやってきます。

他のだれかにそのチャンスを楽しく掴んで欲しい気持ちと、周囲の考えに惑わされない自分のなかの希望への道筋を信じる力を込めて。

そして、いま、わたし自身の希望の道筋のなかで文章にして伝える必要があったことをここで伝えます。

いまのわたしの希望は、みんなで海外やボランティアへ出かけていろいろな経験を共有したいということ。そのために、その「みんな」になぜそうしたいのか、経験することで何が得られるのかを伝えること、伝え続けることが実現であり、行動はそのなかの出来事全てです。

わたしはこの希望を何年も持っています。

40歳のわたしは30歳のわたしにこう言います。
「できるよ、大丈夫。」

たくさんの言葉が行き交うこの社会で、一番の味方となるわたしが大好きな言葉です。


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