こんばんは。学習アドバイザーの佐藤正治です(^^)
あなたのお子さんは暗記は得意ですか?
自信を持って「はい」と答えられる方はあまりいないのではないでしょうか?
ここでも色々な記憶法を紹介してきましたが、どうせだったら覚える物は少ない方が良いですよね?
そう言う意味で記憶法の本として面白いのが「東大の先生が実践する「ロジカル」暗記術/西内 啓
」という本です。
この本で面白いのは「暗記の下準備」について非常に細かく書いてあることです。
ここでいう「暗記の下準備」とは、いかに覚えるものを減らすかと言うことです。
覚えるものを仕分ける
事業仕分けと言う言葉も記憶に新しいと思いますが、下準備の第一番目は「覚えなければいけないものを選択する」と言うことです。
この本ではすぐに調べられる物は覚える必要がないもの、何度も使うなど調べるのが面倒な物は覚えるべき物という分類をしています。
ただ、学校の定期テストや受験ではこの分類ではうまくいかないので、「試験によく出るところ」かそうでないかという分類で考えればよいでしょう。
これらの目的ははっきりしています。学校の定期テストであれば良い点を取ること、受験で言えば合格することです。
だったら、この目的に合致する部分だけ覚えればよいわけです。
覚えることを圧縮する
もう一つのポイントは覚える対象が決まったら、それをルール化することで覚える量を減らすと言うことです。
この本では面白い例が載っていました。
「ある家族がいます。この家族は会社員の父親と専業主婦の母親の間に三人の子どもがいます。一番上は長女で会社員と結婚し、親と同居していて男の子が一人います。真ん中の子は男の子、一番下の子は女の子で、二人とも小学生です」
この文の内容を覚えてくださいと言われて、すぐに覚えられますか?
ちょっと難しそうですよね?
でも、視点を少し変えると簡単に覚えられるのです。
すでにあなたも気づいたかもしれませんが、実はこれ、サザエさんの家の家族構成です。
サザエさんの家の家族構成だと思えば、すらすらと出てきませんか?
このようにすでに自分が知っている物と関連づけたり、おおきく複雑な物は分解して単純化することで共通のルールを見出すことで暗記する量を減らすのです。
例えば、長い英単語は大抵接頭辞や接尾辞が組み合わさって出来ています。ですから、英単語も分解して覚えれば一字一句丸暗記しなくても、良いわけです。
漢字も以前お話ししたように
、複雑な漢字はいくつかの単純な漢字の組み合わせで出来ており、多くは音と意味を表す部分から出来ているのです。
このようなルールを知っていれば、覚えることはさらに少なくすることが出来るわけです。
塾に通うメリットとデメリット
塾に通う大きなメリットの一つが、この暗記の下準備を塾の先生がしてくれると言うことです。
受験や定期テストの分析を先生が行い、必要と思われるところを教えてくれる。
また、教え方のうまい先生というのはこのような圧縮のためのルールを教えてくれる先生だと言えます。
しかし、使い方を間違えると逆効果になります。
ただ、覚えろと言われたことを機械的に丸暗記したのでは、どうしても発生する例外に対処しきれなくなる場合もあります。
出来ることなら圧縮のルールを見つけたり、覚えるべき事を見つけると言うことも自分で出来るようになれば言うことはありません。
こういう能力は大人になってから、先生がいなくなった状況での勉強におおきく役に立つからです。
しかし、いきなり最初からルールを見つけるのは難しいと思います。
ですから、あなたのお子さんには、単に教えられたことを丸暗記するのではなく、先生がどんな風にしてこのルールを見つけるたのかを少しで良いので考える癖を付けるようにアドバイスして上げてください。
もちろん、最初はまるで分からないと思います。
けれども、何度も何度も繰り返し考えていくうちに、段々とルールを見つけるコツが分かってきます。
是非、お子さんにアドバイスして上げてくださいね(^^)