秩父と信州を結ぶ十文字峠。 十文字峠はコメツガ、シラベの原生林。倒木が苔むし「昼なお暗い」。といっても深緑は心地よく目に映る。
十文字小屋から秩父側に向かう途中が好きな原生林のビュースポット。
霧が漂うと、またこれがいい、いい。
静寂の中、カメラのシャッター音だけがする。

江戸時代には関所があった秩父の大滝・栃本から峠まで16km(だったか)8時間以上は白泰山(1794m)の「白泰尾根」を延々と歩く、登る。
途中には「十文字峠の里程観音」として、秩父市有形民俗文化財になっている四体の石彫りの観音さまが建っている。一里から四里の観音で、峠を越した信州側には五里観音がある。
十文字小屋から3、40分ほどのところにあるのが四里観音。このたたずまいが何とも言えない。

このところ、信州側の毛木平から峠に登り、十文字小屋で過ごし、再び毛木平に下ることが多い。
観音様も「なに無沙汰してんだよ」と言うかな。
息子たちも、幼いころ観音様に挨拶して通った峠道。
師のカメラバッグを、先輩の靖(やっ)さんと交代で背負って歩いた峠道。
師のカメラバッグを背負ったまま、俺と靖さんはちょっとした岩の上に登って撮影。
うっかり弟子の俺たち、師のシャッターチャンスを逃してしまった。
でも、ちょっぴり怒られただけ。
師の3番目のお婿さんが同行するときが嬉しかった。
師の奥さんが、俺に缶ビールを持たせてくれる。
「K輔さんに、ね」と奥さん。
もちろん、おすそわけに預かる。
奥さんの気遣いが判ったのは娘が結婚、新しいせがれができたとき。
でも、わが婿殿は師と同じノンアルコール党。
「酔っ払いの親見て育てば、酒飲みは選ばないよ。娘は」だってさ。