以前触れたけど、アメリカの俳優、ウォーレン・オーツ。彼の語りを文章化した「荒野より。」座右の書のひとつ。
炎のことについて、お気に入りの箇所があるから紹介します。
モンタナ州のチコ・ホット・スプリングスというところに家(別荘)を持っていて、ランチ(牧場)と彼は言った。そこでのことを語った中に出てきます。
 

息子がまだ小さかった頃、ここで夏を過ごし、夜になると二人でたき火をしたんだ。テントの前に小さな火をおこして二人でいろんな話をする。火のまわりだけが明るくて、辺りは真暗だ。空を見上げれば星が驚くほど近くに見える。
 小さなたき火の温かさには、人間の本能を呼びさますものがある。大昔から人間は火のまわりに集まってきた。人間がただのひ弱な生き物だった頃からね。暗闇の中でたき火を見つめていると、今でも人間自身はひ弱なんだって思うよ。手に何も持たず、裸にむれたらね。そう思うことは不安でもあるけれども、でもホッとするような気持にもなるんだ。小さな火のせいだろうと思う。

 すべてを焼き尽くす恐ろしい劫火もあるだろうけど、薪ストーブでの小さな炎は、至福の時を過ごすナビゲーターになるかも。