埼玉を縦貫する荒川上流で、冬になると現れる光景があった。
そのひとつが「仮橋」。
夏場は渡船で、水量が少なくなり、川幅が狭くなる冬季に、流れの中に大きな石を置いたり、丸太の橋脚を建て、丸太二本を渡してその上に板を敷いていく。
まことに簡単な構造だが、徒歩中心の人にはありがたいものだった。
夏場は渡船で、水量が少なくなり、川幅が狭くなる冬季に、流れの中に大きな石を置いたり、丸太の橋脚を建て、丸太二本を渡してその上に板を敷いていく。
まことに簡単な構造だが、徒歩中心の人にはありがたいものだった。
だった、というのはこの仮橋が作られなくなって、かれこれ10年になる。渡船の方ははるか昔に廃止になっている。

仮橋は、秩父市内では旧荒川村上田野と左岸側の秩父市久那とにあった草塚と野野上野の二つの渡しが比較的遅くまであった。また、秩父市黒谷と寺尾を結んだ招木の渡しは、かれこれ20数年前に作られなくなった。

最後まであったのが草塚の渡しで、毎年11月末の日曜日に、左岸側の住民総出で作業が行われた。冷たい川風が吹く丸一日がかりの作業だった。
画像は1998年11月29日の撮影。デジタルカメラで撮ったもので、これは簡単に見つかった。それ以前のはネガフィルム。