【職業訓練4か月目の記録】

先日、上司とふたりきりになったときに、言われた言葉・・・


「ねえ、あなた、何歳なの?」
「故郷にはずっと帰っていないの?」

「あなたの旦那さんは、何歳なの?」
「あなたの旦那さんは、失業者なの?」


どうやら、
彼女は
「お金を稼ぐのが目的でドイツにやってきた、貧しいアジア人」
「ドイツ人と結婚したのは滞在ビザが目的」で、

「夫はドイツ人女性とは結婚できなかった落ちぶれた中高年で、失業者である」

という目で私を見ているようでした。


まあ、たしかに夫はお金持ちではありませんが、
落ちぶれた中高年ではなく、
33歳で、きちんと毎日働いていて、特に食料品の品質には気を遣っていて、買い物はいつもBIOの店です。

私は、たしかに若くはありませんが、
日本で銀行員をしていたのでそれなりに貯金は持っています。
おそらく、彼女よりも、日本に置いてある私の通帳の残高の方が多いと思う。
(私は子供がいないので、貯金がそれなりに出来ました。)


けれども・・・・

もう、ショックで・・・。


最初からかなり素っ気なく扱われてることはわかっていましたが、彼女の思考のその背景にはそんな偏見があったのですね。



夫はドイツ人だけれど、何度も日本に来ているので
日本の良さ、クオリティの高さをもちろん十分知っています。


私の周囲の人たち(ドイツの家族、近所の人たち)は、親しく、私に敬意を払ってくれているように思っていました。
だから、
「(たとえ外国人であっても)自分を理解してくれて当たり前」
になってしまい、
いつしかそれに甘えてしまっていたのかもしれません。




でも、一方で、
彼女が偏見を持ってしまうのも仕方がないことかもしれません。

私のそもそも奥手な性格に加えて、
まだまだ拙いドイツ語
そして、


今年は何十万人の難民がドイツに押し寄せてきて、
もう受け入れ態勢は限界を迎えているし、
最初は好意的だったかもしれないけれども、いつしか
難民(=外国人)は結局、
「無料の住居、食事(=結局、お金)が目当て」
「迷惑そのもの」という見方が定着してしまっているからです。

この状況では誤解を受けても、彼女が一概に悪いとも言えないなと思いました。


・・・が、さて、どうしたものか・・・。


私がお金を持っている、持っていない、夫が失業者か否か、
ということはあまり重要ではなくて、
彼女の冷えた心をどうしたら笑顔に変えられるか。

少なくとも3年間は一緒のチームでやっていかなくてはならない、そのためにはお互いに尊重しあうことが、信頼して協力体制を築くには不可欠です。

「このひとのために一肌脱いでやろう」
と相手に思わせるくらいでないと、
いくら一人で頑張ったところで、特に言葉のハンディがある外国では努力が結実するのは難しいでしょう。


外国人に対する上司(彼女)の思考の背景にあるものは

「自分たちはこんなに忙しい思いをして働いて税金を納めているのに、外国人は簡単にドイツにやってきて、金を無心する。タダで良い暮らしをしようとする」

=いい迷惑だ、自分たちは被害者だ

自分たちは損をさせられている

という意識です。



ああ、面倒だなあ・・・・。


でも、日本に帰ったところで、まあ似たような思いをする、
というより、
日本人の偏見のほうが厄介な気もする(苦笑)。



彼女の笑顔が見たい・・・紅葉のドイツ、今日この頃。