最年少メンバーの齋藤樹愛羅が見せる目覚ましい成長 音楽ナタリー
10月に埼玉・さいたまスーパーアリーナで過去最大規模のコンサート「=LOVE 6th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」を成功させた=LOVE。ストリングスの生演奏を交えたパフォーマンスなど見どころの多い公演だったが、その中でもひと際大きな歓声が沸き起こったのが15thシングルの表題曲「ラストノートしか知らない」が初披露された場面だ。この曲では、最年少メンバーの齋藤樹愛羅がセンターを担当。金髪にイメージチェンジした彼女を中心に、切なさに満ちたラブソングを歌うメンバーの姿に大勢の観客が夢中になった。
音楽ナタリーではメンバー全員を2組に分けてインタビューを行い、「ラストノートしか知らない」をはじめとするシングル全収録曲についてたっぷりと話を聞いた。
大谷映美里・齋藤樹愛羅・佐々木舞香・瀧脇笙古・諸橋沙夏 インタビュー
センターをやるとは想像もしてなかった
──新曲「ラストノートしか知らない」は齋藤樹愛羅さんのセンター曲です。齋藤さんがシングル表題曲でセンターを務めるのはこれが初めてですね。
齋藤樹愛羅 自分がセンターを務めるとは知らない状態で、メンバーみんなで音源を聴いたんですよ。そのときは大人っぽくて素敵な曲だなと純粋に感動して、まさか自分がセンターをやるとは想像もしてなかったです。指原さん(=LOVEのプロデューサーを務める指原莉乃)にお会いしたときに、「樹愛羅をセンターにしようと思う」と言われて。本当にびっくりしすぎて、今思うと「がんばります!」と言いたかったんですけど、そのときは「どうしよう……!?」といろいろ考えてしまいました。
次のセンターは樹愛羅かなと予想していた
──そのほかに指原さんからは何か言葉をかけられましたか?
齋藤 歌うのがすごく難しい曲なんですけど、(佐々木)舞香ちゃんや(野口)衣織ちゃんがセンターの両サイドにいるから大丈夫だよ、という話を優しく伝えてくださいました。でもシングルの表題曲でセンターを務めるのは、そのグループの顔になるということですし、歌番組でパフォーマンスする機会があるかもしれないと考えたら、不安な気持ちもありました。
──ちなみに、金髪にイメージチェンジしたのは新曲に合わせて?
齋藤 はい。指原さんが「金髪にするのはどう?」と言ってくださいました。センターのことを伝えてくれたときにはおそらく新曲の衣装もほとんど決まっていて、以前のピンクの髪より金髪のほうが合うんじゃないかと考えてくださったみたいなんです。実際、金髪にしたら華があって目立つし、それと同時に「ラストノートしか知らない」の儚い感じにも合っていて、髪を染めてよかったと思います。
佐々木舞香 すごくかわいいよ。肌の白さが際立つ。
大谷映美里 「Be Selfish」(2022年9月発売の12thシングル)のときに髪色で悩んでたよね。
齋藤 うん。そのときも金髪にしようとしてたけど、似合わないかもと思ってピンクにして。前からこの色に憧れていたものの、怖くてできなかったんです。指原さんのおかげで新しい自分を見つけることができました。
──「ラストノートしか知らない」は、10月にさいたまスーパーアリーナで行われた6周年コンサート「=LOVE 6th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」にて初披露されました。公演終盤のMCでは齋藤さんが感極まる場面もありましたが、やはりプレッシャーや不安を感じていたのでしょうか?(参照:=LOVEの6周年コンサートSSA初日、齋藤樹愛羅センターの「ラストノートしか知らない」初披露 / =LOVEの6周年記念コンサートSSAに2万8000人!来年は初のアリーナツアー開催)
齋藤 そうですね……新曲のお披露目はもちろん、さいたまスーパーアリーナのステージに立つこと自体にも不安があって。ステージに立った瞬間は「もうやるしかない!」と思って、すごく冷静だったんですよ。でもコンサートが進んでいくにつれ、その場にいることの実感みたいなものがどんどん湧いてきて。最後のほうは、さいたまスーパーアリーナでのコンサートの開催が発表されてから感じていた感情があふれ出ちゃいました。言葉に表すのが難しいんですけど……不安と同時に安心感もあって、本当にいろいろな感情が出てきました。
諸橋沙夏 「ラストノートしか知らない」の初披露のときは、樹愛羅の緊張が伝わってきて、私も緊張しちゃいました。今後生放送の歌番組でこの曲を歌うことがあったら、そのときもすごく緊張すると思います(笑)。明るいアップテンポな感じではなく、聴かせるタイプの曲ですし、ラストの音が静かになる中で樹愛羅が歌うパートは特に緊張感がありますね。でも回数を重ねるごとにパフォーマンスがよくなっていくと思うので楽しみです。
佐々木 私は樹愛羅の緊張が移ったというより、まず新曲の初披露ということで緊張しました。確か「ラストノートしか知らない」は、本番までにちゃんとマイクを通して歌ったことがほとんどなくて。
諸橋 ほとんどぶっつけ本番だった。
佐々木 音の取り方や、イヤモニで聴こえてくる音の感触、声の出し方などを探りながら本番に臨みました。
瀧脇笙古 樹愛羅のソロパートがたくさんあるから「がんばれ!」と思いつつ、私も自分のソロパートの直前になるとかなり緊張しちゃうので、「私もがんばらなきゃ!」という気持ちでした。初日は自分のことで精一杯でしたね。
大谷 この曲はメンバーみんなソロパートが多いし、メッセージ性の強い曲なので、“歌詞のバトンタッチ”がうまくいかないと曲の魅力を伝えられないんです。でもみんな上手に歌っていて。特に樹愛羅がすごく上手で、陰ながらたくさん練習したんだろうなと思って尊敬しました。
次のセンターは樹愛羅かなと予想していた
──「ラストノートしか知らない」はしっとりとした空気感をまとった切ない恋愛ソングですが、ほかのメンバーから見て、齋藤さんのイメージとマッチしている感覚はありますか? 齋藤さんは=LOVEの最年少メンバーで、年齢的には大人びたイメージから遠い印象もあるのですが。
佐々木 この曲のセンターを伝えられる前、プリプロを録るにあたって仮歌を聴いたとき、衣織が「この曲、樹愛羅に合いそう」と言っていて。「確かに!」って話してたんですよ。実際、切なさが出るウイスパーボイスや、消えちゃいそうな儚い歌い方が樹愛羅にぴったりだなと思いました。
諸橋 私は逆に、この曲のセンターを樹愛羅が務めることが意外でした。前回のシングル制作期間に、次あたりで樹愛羅がセンターになるだろうなとは思っていたんですけど、楽曲のタイプとしては樹愛羅のソロ曲「Kiara Tiara」みたいなダンスナンバーが似合うと感じていました。最近、イコラブはダンス曲が少なかったし、樹愛羅がセンターのカッコいい曲が表題曲として来るんじゃないかと予想していたんです。でもその予想が外れた分、楽しみな気持ちが大きくなりました。
瀧脇 私も、次の表題曲のセンターは樹愛羅かなと予想していたんですけど、「ラストノートしか知らない」の仮歌を聴いたときに「あ、違うのかも」と思ってました。でも樹愛羅がセンターだと聞いて、樹愛羅も大人になったんだなと感じました。
──次のシングルが齋藤さんのセンター曲になるという予感は、メンバー間で共通していたんですね。
諸橋 ソロ曲の「Kiara Tiara」がきっかけだったのかな。樹愛羅は初期からダンスが上手だったんですけど、あまりそういうイメージを持たれていなくて、やっとファンからも気付かれてきた感じがします。「=LOVE 全国ツアー2023『Today is your Trigger』」日本武道館公演で樹愛羅が「Kiara Tiara」を披露したときに1人でお客さんを魅了していて。感激しつつも、前は赤ちゃんみたいだったのに、急にこんなに成長するんだって少し寂しくなりました(笑)。
齋藤 私としては、全然そういう自覚や自信はなくて……。表題曲でセンターを務めることに不安があったし、センターを務めることができたとしてもカップリング曲かなと思ってました。さらに大人っぽい曲でセンターになるなんて、とにかくびっくりでした。指原さんは意外性を求めてくださったんだと思うんですけど、自分のイメージの殻をもっと破っていかなきゃと思っています。センターをやらせていただくからは、しっかりやり切ろうって。
変わらないのは赤ちゃんの香り
──初期の齋藤さんは赤ちゃんみたいだったと諸橋さんはおっしゃいましたが、デビューからの6年間を通してどんな点が大きく変わったのでしょうか?
諸橋 顔も大人になりましたし、ステージングも大人っぽさを感じるようになりました。でもこの前、香りを嗅いだら赤ちゃんでした(笑)。
佐々木 ミルクの香りがするよね。
諸橋 首の後ろってその人のもともとの体臭があると思うんですけど、樹愛羅は本当に赤ちゃんの香りがします!(笑)
大谷 本当……?(齋藤の首の香りをかぎながら)確かに、ミルクっぽい!
諸橋 その変わらなさに安心します(笑)。香水をつけてないのに、とてもいい香りがするんですよ。
齋藤 みんなレッスンの合間に嗅いでくるんです。香水をつけたほうがいいのかなと思ってるんですけど……。
諸橋 つけなくていい! そのままがいいよ。
──ビジュアルやパフォーマンス面が大きく進化している分、そういうところで安心するんですね(笑)。
大谷 ビジュアルに関して言うと、私、樹愛羅をすごく参考にしています。ファッションやメイクがとてもかわいくて。 私は、自分でアパレルブランド(「Rosé Muse」)をプロデュースしているんですけど、そのデザインも樹愛羅が着そうなものをイメージしています。
齋藤 えー、うれしい! 私 「Rosé Muse」が大好きなんですよ。
佐々木 樹愛羅は内面も変わったと思います。昔からけっこう勝負強いところがあったし、運もいいし、持てるもの全部を持っている人だなとは感じていて。それって本人が意識して身に付けているわけではなく、天から与えられたものなんですよね。今はそこに努力の気持ちも加わって、最強になったと思います。
齋藤 えー、自分としては逆に弱くなった気がする。初期の頃は本当に子供だったから何も感じていなかっただけで。ほかのみんなは活動を重ねるにつれ、メンタル面も含めてどんどん強くなっていってると思うのですが、私はそこに遅れがある気がする。まだまだ弱いし、乗り越えきれてない部分があるので、今回のシングルをきっかけにみんなに追いつきたいです。
諸橋 でも、樹愛羅は初期からずっとメンタルが安定していてすごいと思う。落ち込んでいる姿を見たことがない。逆にすごく機嫌がいいところも見たことがないけど(笑)。いつでも一緒。私は落ち込んだり、頭がパンクしそうになったりすることもあるのに。本人としては流れに身を任せて生きてるってことなのかもしれないけど、それって大事だことだなと思います。
齋藤 昔から自分の感情を表に出したくないんですよ。内側にはいろいろな感情があって、怒っていたり機嫌が悪かったりするときもあるんですけど、それを悟られたくないんです。少しでも表に出したら、一気にあふれちゃうと思います。あと、周りに気を使わせたくないという思いもあります。
諸橋 それがやっぱり大人だなと思う。
齋藤 自分のいいところでもあるし、悪いところでもあると思います。
佐々木 1回見たいよね。爆発する樹愛羅(笑)。ゲームをやっているときと、眠いときだけ少し感情が表に出るけど。眠いときは少しだけ機嫌が悪くなるんです(笑)。
諸橋 でも、樹愛羅は昔、「私は絶対にセンターになりたいです」と言っていたんですよ。それをちゃんと叶えているからすごいです。初期の頃はなんだかメラメラしていたよね?
佐々木 初期の頃は樹愛羅に限らず、メンバーみんなメラメラしていたと思う。若くて、まだ何もわかってなかったから。
瀧脇 樹愛羅は、メンバーに対する態度も変わったと思います。初期は距離感があったというか、何を聞いても肯定しかしなかったんです。
諸橋 「そだね、そだね」って。
瀧脇 今は最年長のさなつん(諸橋)にいじられて言い返す場面もありますし、殻を破って変わったのかなと感じています。
諸橋 今はお互いにいじり倒してます(笑)。
齋藤 最初の頃は、メンバーみんなお姉ちゃんっていうイメージで。私は小学校を卒業したばっかりだったし、自分から全然話しかけられなくて、話しかけられても「そうだね」しか言えなかったんです。最近はちょっとずつ変わり始めました(笑)。
女性にとても刺さる歌詞
──「ラストノートしか知らない」の話に戻りますが、ラストノートというのは香水をつけて約2時間後から、香りが消えるまでの香りを表す言葉だそうで。ラストノートしか知らないということは、相手が自分の前に誰かと会っている、自分が一番じゃないということを意味してるんですよね。
諸橋 私は、香水が好きでたくさん集めているんですけど、ラストノートという言葉を知らなくて、交換日記みたいなものだと思っていたんですよ(笑)。切ない恋のストーリーだし、友達が「歌詞がとても刺さる」と言っていて、やっぱり女性の共感を呼ぶ歌詞なんだと実感しました。確かに人間って嗅覚が一番記憶に残ると言われていますし、香りとともに昔の思い出がフラッシュバックしたりするじゃないですか。香水の香りって人によっては切ない記憶につながるものなんだろうなって思いました。
齋藤 この曲の主人公は恋愛に慣れてない若い世代で、年上の相手に依存しちゃっているのかもしれないです。
──ミュージックビデオはどう解釈しました? 切ない内容ながら、最後は齋藤さんの笑顔で終わっていますが。
諸橋 「ラストノートしか知らないままでいい」という歌詞の通り、割り切った笑顔なんだと思います。
齋藤 最後のシーンでエスカレーターを下っていくのも、落ちていくことを表しているのかなって。決してハッピーエンドとは言えないけど、この曲の主人公にとってはハッピーエンドなのかもしれない。MVはファンの方の間でも解釈が分かれていて、最後の笑顔のシーンは現実ではなく、想像の世界を描いているのかなとも思いました。
──その解釈だと、相当に悲しいストーリーですね。レコーディングはどうでしたか? いつも以上に大人びた、切ない歌い方を意識したんでしょうか。
佐々木 そうですね。1曲を通して音程の高低差が大きいんですよ。Aメロは私には声が出ないくらい低いのですが、逆に樹愛羅や笙古は低い音程が得意で、きれいに声が出ていました。
瀧脇 私のソロパートが2番の頭の「消えそうなライトに」という歌詞なんですけど、さなつんの歌い方を想像しながら歌いました。さなつんだったらここにこうアクセントを付けるだろうなって。
諸橋 うれしい。「ラストノートしか知らない」は全体的に難易度が高いんですよ。ハモリもありますし。でもさいたまスーパーアリーナで披露したとき、みんなの声がきれいに会場に響いていて感動しました。
初披露するとき、今回のシングルの中で一番緊張する曲
──シングルには大谷さん、佐々木さん、野口さん、諸橋さんが歌う楽曲「どこが好きか言って」も収録されます。こちらも大人びた雰囲気で、アコースティックなサウンドと4人のしっとりした歌声が印象的です。
佐々木 この曲も、衣織がセンターのカップリング曲「狂想カタストロフィ」も切ない恋の歌で、指原さんが心配になりました(笑)。
諸橋 冬だからかな(笑)。
──2019年発表の6thシングル「ズルいよ ズルいね」以降、=LOVEは悲恋を歌うことが多いですよね。
佐々木 その中でも、1作のシングルに3曲もそういう曲が入っているのは珍しいですね。その代わり、もう1つのカップリング曲「『ドライブ デート 都内』」がとても明るい曲なので、バランスは取れていると思います。
諸橋 「どこが好きか言って」は音源をいただいたときから歌割りが決まっていて。急なスケジュールでレコーディングをしたんですよ。
佐々木 完成した音源を聴いたときに、沙夏の歌い方がとてもいいなと感じました。いつもはほかのメンバーの歌い方を参考にしたり、温度感を合わせたりするんですけど、今回私はレコーディングの順番が最初だったこともあり、わりとさらっとした温度感で歌ったんですよ。
諸橋 逆に私は最後にレコーディングして。みんなの声が冬にぴったりな仕上がりだなと感じました。
佐々木 大人な雰囲気で、お姉さんって感じの曲ですね。(大谷と諸橋の)お姉さん組がいるので。
諸橋 振付もすごくかわいいんですよ。
大谷 おしゃれで大人っぽい曲だなと思いました。歌唱メンバーの並びを見たときに少し焦ったんですけど、歌もダンスも表現を磨きました。
佐々木 みりにゃ(大谷)の歌声は色気があるよね。さなつんみたいに色気全開という感じではなく、隠れた色気というか。
諸橋 うん、かわいい。「おんなじにならない」というパートの消えそうな声がいい。
齋藤 みりにゃの高い音のときの柔らかい声と、ちょっと音程が低くなったときの地声っぽい歌声の差が好きです。
諸橋 そう言ってもらえるとすごくありがたいです。
──ちゃんと“四者四様”の歌声になってますよね。ライブで披露されるのが楽しみです。
佐々木 ライブで歌ったら曲の印象が変わりそうですね。でも初披露するとき、今回のシングルの中でこの曲が一番緊張するかも……!
諸橋 がんばります!
大場花菜・音嶋莉沙・髙松瞳・野口衣織・山本杏奈 インタビュー
髙松瞳の話題になった写真は指原Pのおかげ
──まず、グループ史上最大規模のコンサートとなったさいたまスーパーアリーナ公演から話を聞かせてください。
山本杏奈 こんなに大きな会場でライブができるようになったんだなと感慨深かったです。緊張もしていたんですけど、今回はメンバーみんなで意見を出し合うことが多くて、「このコンサートをいいものにするんだ」という思いのもと、メンバー全員がひとつになってコンサートを作り上げていきました。すごく幸せな時間でした。
大場花菜 私は埼玉県出身で、さいたまスーパーアリーナでライブをすることが夢だったから、ステージに立てて本当にうれしかったです。私がセンターのユニット曲「ラブロケ」も披露したんですけど、ファンの方がみんなペンライトのカラーをオレンジにしてくれて、その優しさもうれしかったです。この上ない幸せでした。
音嶋莉沙 私はAKB48の渡辺麻友さんが大好きで、さいたまスーパーアリーナで開催された卒業コンサートのDVDを観ていたので、憧れのアイドルさんと同じステージに立つことができてすごくうれしかったです。新衣装もたくさん用意していただきましたし、周りの方々に支えられながら無事成功できました。
野口衣織 私は大きな会場でライブをするときは毎回緊張してしまって、タスクをこなしていく感じになることが多かったんですよ。「ここを間違えないように」「次はここに移動してこれをやる」みたいなことに気を取られて。さいたまスーパーアリーナでは上昇する円形のセンターステージがあったり、初めての演出が多くて不安だったんですけど、本番ではすごく楽しくコンサートができてあっという間に終わりました。緊張はしつつも、こんなにも心から公演を楽しめたのはひさしぶりな気もして、私も幸せな気持ちでいっぱいでした。
──ユニット曲のコーナーでは、野口さんのソロ曲「拝啓 貴方様」を佐々木さんが初日に、諸橋さんが2日目に歌唱するなどレアな場面もありました。
野口 「拝啓 貴方様」がどういうふうに2人の色に染まるのかすごく楽しみでしたし、歌ってくれてうれしかったです。2人は歌がとても上手なので、それぞれ自分の色を持った表現の仕方で曲の魅力を引き出してくれました。
──佐々木さんのソロ曲「真夜中マーメイド」を歌った野口さんも、自分なりの色を出そうと?
野口 そうですね。舞香とは声色も違うし、舞香は声がしっかり出て、声が伸びるタイプなのに対し、私は歌の合間のブレスが多めなんですよ。舞香の歌い方を真似すると声が続かないなと思ったので、オリジナルの音源はあえて意識しないで臨みました。
──そのほか、ストリングスの生演奏をバックに歌うシーンも今回のコンサートの見どころの1つでした。
髙松瞳 私は乃木坂46さんが好きで、神宮球場でオーケストラをバックにライブをされているのを観てからずっとその演出に憧れていたんです。念願が叶ってすごくうれしかったですね。
──メンバーの歌声がいつも以上に伸びやかに響いている印象でしたが、ステージ上で歌う感触も普段と違いました?
髙松 全然違いました。特に「祝祭」「あの子コンプレックス」がとてもよくて! 踊っていて気持ちよかったです。
大場 アレンジが素晴らしくて、楽曲の世界観がより深まりました。
──コンサート後にはカメコの方が撮った髙松さんの写真がSNSで話題になっていましたし、充実の2日間でしたね。
髙松 びっくりしました(笑)。まさかあんなに話題になるとは思っていなかったので。指原さんのおかげですね。リハーサルに指原さんが来てくださって、帰り際にすれ違ったとき、「絶対に薄い前髪!」って伝えてくださったんですよ。本当に一瞬のすれ違いざまに。その言葉を受けて当日いつもと違う前髪にしたら、カメコさんがきれいな写真を撮ってくれて、SNSで話題になりました。
樹愛羅は初期とは別人
──15thシングルの表題曲「ラストノートしか知らない」初披露時の感想も聞かせてください。
野口 披露前に会場のスクリーンを使ってMVを公開したんですけど、お客さんの反応がよすぎて、なおさら緊張しました。音数が少ないパートがけっこうあるので、静かな中、さいたまスーパーアリーナに自分の声が響くのが少しドキドキしました。
髙松 樹愛羅はステージ裏で1人でずっと歌の練習をしてたから、頼もしかったです。
山本 緊張していることを口に出さないタイプだから、それが樹愛羅らしいなって。
──初期と比べて、齋藤さんの一番変わった部分はどこだと思いますか?
髙松 話のテンポ! 前はまるでスローで話してるみたいにゆっくりだったし、なかなか言葉が出てこないから会話が難しかったんですよ。活動を始めたときは中学1年生になりたてでしたからね。
山本 樹愛羅からしたらメンバーみんなお姉さんだったし、少し気を使ってたのかな。今は年齢差を感じなくなってきて、メンバー全員が対等というか、みんな同じ年齢の気分です。昔より距離感が近くなりました。
大場 最近はなんでも言ってくれるよね。
髙松 初期の頃と別人みたい。昔はお母さんが服を選んでいたから、ピンクのフリフリなレッスン着を着ていたりしてたのですが、自分でお洋服も買うようになって、そういう格好は見なくなっちゃいました。
山本 たまに、ピンクのレッスン着を着た樹愛羅を見たくなる。少し寂しい(笑)。この前、樹愛羅となぎさ(2023年1月に=LOVEを卒業した齊藤なぎさ)の昔の映像を観たんですけど、2人とも本当にかわいくて愛おしくて、懐かしい気持ちになりました。何十回も観ちゃった(笑)。
──では逆に、齋藤さんの昔と変わらないところは?
山本 弱音を吐かないところ。初期の頃からそうじゃない?
大場 確かに。
山本 樹愛羅が弱音を吐いているイメージが昔からなくて。樹愛羅が「緊張しない」って言ってるんだから、私もがんばろうと思っていました。
──インタビュー1組目のメンバーも、齋藤さんの変わらない点として感情を表に出さないところを挙げていました。あと、昔から赤ちゃんの香りがするという話も。
大場 出た!
髙松 その話をしたの、絶対に沙夏だ(笑)。私はよくわからないんですけど……。
山本 肌のハリはずっと変わらないけど、香りは私もわからない(笑)。莉沙わかる?
音嶋 わからない……柔軟剤の香りじゃないの?
野口 柔軟剤じゃないよ。肌の香り。
──野口さんはわかる派なんですね。
野口 樹愛羅のそばによると、服とは違う香りが肌からするんですよ。なんだか粉ミルクっぽい。何かで見たんですけど、肌って、ビタミンなど日頃摂取してるものが関係してるらしくて。樹愛羅ってあまりお肉を食べないし、野菜中心の食事をしてるでしょ。健康的な食事。
山本 ヨーグルトをよく食べてるよね。
野口 ヨーグルト! 腸内環境を整えると肌がいい香りになるらしい!
大場 ヨーグルトを食べれば、樹愛羅みたいな赤ちゃんの香りになれるのかな?(笑)
「また私と対照的な曲が来た!」
──齋藤さんの香りの話で盛り上がりましたが(笑)、一旦「ラストノートしか知らない」の話に戻らせてください。皆さんはこの曲の歌詞をどう受け止めましたか?
野口 樹愛羅がセンターで歌うことによって、いい意味でリアルさがなくなるなと思いました。そういう形の幸せもあるよね、という"if"のストーリーとして聴けるのがこの曲の好きなところで。曲の主人公は幸せではないと思うし、この先も幸せになれるかもわからないグレーゾーンにいると思うんですけど、この子にとってはこれが幸せな恋の形なんだろうなとも思うんです。
──なるほど。
野口 「他にも大事な人がいるの?」「夜に会いたくなるのは君だけで」という歌詞から、自分の気持ちを素直に伝えられていない状況が読み取れて、すごく健気というか……幸せになれないとわかっていても、本当の気持ちを押し殺して相手のそばにいたいと願う気持ちは、少し素敵だなと感じますね。私は歌詞の世界観に入り込んで、楽曲の中の人として歌うことが多いんですけど、今回はモノローグのような第三者の目線を意識して歌っています。
大場 今までも切ない恋の曲はありましたが、樹愛羅がセンターで歌うことによって新しい表現になっているなと思いました。樹愛羅の歌声によって曲のピュア度がすごく増しているなと。
音嶋 私はラストノートという言葉の意味を知らなくて、本のノートのことだと思ってたんですけど(笑)、指原さんが書く歌詞の表現はすごいなと改めて驚きました。解釈が難しい部分もありつつも、MVではメンバーそれぞれの切ない表情がこの曲の世界感を表現していると思います。
野口 最近のイコラブは切ない恋の曲が目立ちますが、女性ファンの方も多いので、「ラストノートしか知らない」も共感してくれる人がたくさんいると思います。
──YouTubeのコメント欄にも共感する声が多く書き込まれていますね。
髙松 「共感しすぎてつらかった」と言ってる人もいました。私としては、曲の主人公が自分の性格や考えと対照的すぎて、共感するのが難しくて……。私だったらこの歌詞と同じ状況になっても、こういう女の子にはならないと思います(笑)。「ズルいよ ズルいね」も「あの子コンプレックス」もそうだったんですけど、悲恋の曲は世界観を想像しにくいので、試行錯誤しつつ歌やダンスをがんばってます。「ラストノートしか知らない」の仮歌を聴いたときは「また私と対照的な曲が来た!」と思いました(笑)。
山本 私も指原さんの書く歌詞を通して勉強してるかも。「こういう気持ちを抱いている女の子もいるんだ」って。
野口 確かに。小説を読んでいるような気持ちになるよね。
山本 あと、この曲は歌っていないときのメンバーの動きにも注目してほしいですね。歌詞に沿った振付で、物語がどんどんつながっていくような構成になっているんです。息をそろえたダンスで盛り上がるラストのサビまで、1つの作品として完成度がとても高い振付というか。ライブを観ていただくときは「上手ではこういうことが起きていて、下手ではこういうことが起きてるんだ」という、いろいろな角度の楽しみ方ができると思います。
まだまだステップアップする=LOVE
──髙松さんがセンターを務めるカップリング曲「『ドライブ デート 都内』」は「ラストノートしか知らない」とは正反対の明るくてかわいらしいナンバーです。髙松さん的には、こういう曲のほうが歌詞の世界観に入り込みやすいですか?
髙松 入りやすいというか、ただただハッピーな気分で歌ってますね。イコラブにとってひさびさの“僕目線”の曲ですけど、この歌詞の主人公みたいな人をかわいいなって思います(笑)。相手への思いであふれていて。
音嶋 この曲みたいに「好き」をいっぱい伝えられたらきっとうれしくなるよね。
髙松 ライブで盛り上がりそうですし、どこにコールが入るのかも含めて、ファンの方と一緒に作り上げていくのが楽しみな曲です。
野口 歌詞のキザな感じがいいよね。とびきりの愛、見せちゃうぜ!みたいな感じが(笑)。明るいテンションで、はじけていて。
大場 特に「眩しすぎるよ My honey ご機嫌いかが?」はすごいよね。
髙松 花菜ちゃんの男版みたいなイメージ。花菜ちゃんが男の子になったら、きっとこんな感じだと思う。
山本 わかる! でもこれからこの曲を歌うとき、私たちみんな花菜ちゃんの男版になりきるってこと?(笑)
大場 確かに、自分でも少しわかります。全部のワードでキメている感じ。こういうアイドルソングが大好きですし、初めて曲を聴いたときに「これこれ!」と思いました。
──もう1つのカップリング曲「狂想カタストロフィ」の印象はいかがですか? 野口さんのセンター曲ということで、シリアスで情熱的な歌詞になっていますが。
髙松 さすが!
山本 聴いた瞬間に、衣織っぽいと思った(笑)。
野口 「ラストノートしか知らない」も危うい恋を描いた曲ですが、「狂想カタストロフィ」にはまた違った危うさがあって。振付を手がけてくださったCRE8BOYさんが「仕事ができる女の人が、ヒールでコツコツ歩きながら歌ってるイメージ」とおっしゃっていて、確かにその通りだなと私も感じました。仕事ができる頼りがいのある女の人が、心の中では刃物のような怖い愛情を秘めている。歌詞に描かれている思いは表には一切出さない、全部内側の話なんですよね。そう考えると、ちょっとホラーな雰囲気も感じます。
──狂気的なムードがありますね。
野口 いろいろな感情が歌詞にちりばめられていて、MV撮影ではどの感情を優先してパフォーマンスすればいいのかわからなくなりました。歌詞に何回か出てくる「愛して」というフレーズのように相手に愛を求める気持ちなのか、「傷付き 跡になれ」という歌詞に表れているような自暴自棄の気持ちなのか。「抱き締めて 離さないままでいてね 壊れてもずっと」という歌詞からは独占欲も感じられますし。パフォーマンスを重ねることで馴染んでいく曲だと思います。
大場 こういうカッコいいタイプの曲はひさびさで、振付もカッコいい仕上がりになっているので楽しみしていてほしいです。撮影した映像を観て自分で感激しました。
山本 MV撮影の事前のレッスンのときから衣織の表現力がすごかったんですけど、狂気的な曲なのにカットがかかった瞬間、メンバーみんな元気にわいわいしていて。また撮影が始まった途端にみんな豹変するから、全員がある意味で狂気的でしたね(笑)。そういうところがイコラブらしいです。
野口 CRE8BOYさんも褒めてくださいました。「何があったの!? みんなの表現力、素敵だよ!」って。私も映像を観て「自分たち、素敵だ!」と思いました(笑)。
大場 CRE8BOYさんに褒めていただけてうれしかったよね。
──=LOVEはパフォーマンス面においてすでに高いレベルにいると思いますが、まだまだステップアップしているんですね。2024年2月からは「=LOVEアリーナツアー2024『Tell me what's more than "LOVE"』」が開催されますが、最後にこのツアーに向けた意気込みを聞かせてください。
大場 さいたまスーパーアリーナの公演中にツアーの開催がサプライズ発表されたんですけど、すごくびっくりしましたね。「今いる会場もアリーナだけど、アリーナの会場をツアーで回るの!?」って。
髙松 コンサート会場をお客さんで埋められるかどうか、毎回ドキドキしてるからね。
山本 「ヒロインズ」(2023年7月発表の14thシングル「ナツマトぺ」収録曲)に「アリーナのみんな、どうですか?」という歌詞があるんですけど、アリーナツアーを開催できるところまでステップアップできたんだなと思うと、とてもうれしいです。
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「リハーサルに指原さんが来てくださって、帰り際にすれ違ったとき、「絶対に薄い前髪!」って伝えてくださったんですよ。本当に一瞬のすれ違いざまに。その言葉を受けて当日いつもと違う前髪にしたら、カメコさんがきれいな写真を撮ってくれて、SNSで話題になりました。」という髙松の話。
あのバズった写真に指Pのアドバイスのおかげだったとは。それを素直にその通りにしたひとみんも凄い。メイクを研究しているプロデューサー。女性ファンが7割納得。
