鉱物の顕微鏡写真202 ―クルックス鉱―
顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真202
―クルックス鉱―
産地:Skrikerum mine, Valdemarsvik, Östergödland, county, Sweden.(非売品)
Crookesite クルックス鉱
[組成] Cu7(Tl,Ag)Se4
[結晶・形態] 正方晶系.形態は微細な粒状.皮膜状・脈状・鉱染
状集合などになる.
[色] 鉛灰色・帯青鉛灰色.錆びると褐色味を帯びる.
[光沢] 金属光沢.不透明.
[モース硬度] 2.5~3
[比重] 6.90~7.443
[劈開] 2方向に明瞭.
[条痕] 記載なし.
[名称] 金属元素タリウムの発見者のUKの
William Crookes
(ウィリアム・クルックス卿 1832-1919)
に因む.
[原産地] Skrikerum mine, Valdemarsvik,
Östergödland county, Sweden.
銅とセレンに少量のタリウムを含む鉱物で,売り手より勧められるままどういうものかわからないまま購入した標本です.
主に白色から灰白色の劈開の顕著な方解石中に微細な脈をなし,脈を中心に鉱染するように微細な鉱物が入っている見かけの奇妙な母岩でした.
鉱染しているところは黒色~黒褐色で白色部とはグラデーションのようになっているわけではなく,白色の方解石部と鉱染して黒色になっている部分が顕著に分かれています.
脈の中央部は褐色になっていて,ここに矢印でBerzelianiteとありました.Berzelianiteは同じく銅とセレンの鉱物で,新鮮時は銀白色から鉛灰色で,錆びると褐色の被膜ができるようです.
脈の中央部の拡大.
画像右手に矢印があるのですが,撮影のために取り外しています.茶褐色~黒褐色部がBerzelianiteだそうです.
クルックス鉱は母岩の裏面に矢印で very goodの矢印が付いていました.その部分が文頭の画像で,こちらも撮影のために取り外しています.どうも脈に沿って割れたらしく,そこに微細な粒状の晶癖が観察できました.ほかに以下の鉱物が付いていました.
矢印の先にあった二次鉱物.下地がセレンの鉱物なので,セレン酸塩の二次鉱物かもしれません.小さいので判別できませんでした.