夫婦滝(再訪) 三重県伊賀市上阿波 子延川流域 | 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ

夫婦滝(再訪) 三重県伊賀市上阿波 子延川流域

滝めぐり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夫婦滝(再訪)

三重県伊賀市上阿波 子延川流域

 

 

 朝から天気がいいので,伊賀方面に行ってきました.滝に行くまでは一昨年見つけた高良城川沿いのペグマタイトに行っていました.その後に夫婦滝に寄りました.

 

でかいカエデの木の前に駐車スペースがあってここに停めました.

夫婦滝.少し県道を南下した橋の上から.上の滝は右奥に見える橋の橋脚の間から少しだけ見えています.

下の滝は泥質の変成岩でできているようで,斜めに岩脈が通っていました.

 

上の滝.ナメ滝風の滝で落差は目測で2.5mくらいでした.

 

 

 このあと国道1号に抜けて帰途に就きました.

 

 

 滝に行く前に高良城川のペグマタイトに行っていました.レーダー群のある笠取山の北から北上するように大山田の方へ流れている谷で,小さなダム湖があって,小広い林道がそれに沿っています.

 現場は国道163号線から高良城川沿いの林道に入って約1㎞にある水道施設の北約20mに東から流入する谷の出合付近です.前回来た時は渓流瀑を見て回ったのですが,今回は燐灰ウラン鉱の出た現場を中心に探索しました.

 露頭と呼べるものは谷の上流に目測で落差5mくらいの滝があってその付近に少しありました.ほかは転石です.

 谷にある岩石は優白質の花崗岩,黒雲母花崗岩,珪長岩,花崗片麻岩,泥質片麻岩などが見られました.一見閃緑岩に見える花崗岩を切る脈でペグマタイトがあって,その中に鉄電気石を含んでいました.

鉄電気石.川の水で表面を洗い流して撮影.結晶の長さ約12㎜.盤際の花崗岩中にレンズ状で珪線石を含んでいました.

 

 水道施設の前は南北に断層が通っているようで,地形図で見ると尾根が切断されて南北にまっすぐになっています.電気石の出た谷はその断層の北端を横切るように流れてて,何か出るならここだろうと思って探しました.

 今回は燐灰ウラン鉱は見ていません.もともと少量でたまたま入っている石に当ったようです.

 

 それから子延川の夫婦滝に行く途中で「リュウガ谷」というところの河原に降りてみました.こちらも花崗岩や花崗片麻岩質の岩石,ホルンフェルス,泥質の変成岩類などが見られました.転石ではあるのですが,一つ河原で握り拳サイズの石を拾いました.

 サイズは小さいのですが,妙に光沢がある上に,何か中心からの重みがあって,ほかの岩石とは外観を異にしていました.これ一つサンプリングしました.

 帰ってから小割りしたところ,光沢があったところは灰礬石榴石でした.

灰礬石榴石.

 

 灰礬石榴石は暗灰色―黒色の片麻岩質岩中にレンズをなしているようで,石榴石に伴って白色繊維状の珪灰石を伴っていました.風化面をよく見たところ,間隙があって,そこに白色柱状の柱石も含まれていました.

 小さな転石ですが,子延川流域にもこういうスカルン系の鉱物が出ているのが判ったので,機会があったら露頭を探してみようと思っています.