黄銅鉱(Chalcopyrite) 岡山県美作市東谷下牛蒡ノ浴 勝英鉱山 | 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ

黄銅鉱(Chalcopyrite) 岡山県美作市東谷下牛蒡ノ浴 勝英鉱山

銅鉱物

 

 

 

まいどながら,顕微鏡写真シリーズや研磨石シリーズには出てこないような標本を掲載しています.

 

 

 

黄銅鉱(Chalcopyrite)

岡山県美作市東谷下牛蒡ノ浴 勝英鉱山

Locality:Shohei Cu mine(Katsuei Cu mine), Goboh-no-eki, Higashitani-Shimo, Mismasaka city, Mimasaka old county, Okayama prefecture, Honshu island, Japan.

(非売品)

Chalcopyrite 黄銅鉱

CuFeS2   正方晶系

 

 5年くらい前に訪問してサンプリングした標本です.近くに瀬戸鉱山や金谷鉱山や金生鉱山などの著名な鉱床が集合する地域で,あまり知られていない鉱山のようです.

 

 谷の入口から鉱山がありそうな雰囲気があって,川を渡ったところに大切坑か何かの跡が崩土に覆われた形で道に面していた.

これが恐らく大切坑か通洞坑で,奥に進んだところにある南から流入する谷にも坑口があったのを覚えています.その中間の北斜面に陥没坑があって,滑り落ちそうになった覚えがあった.

これが陥没したところにある坑道の延長で,車道に面する坑口の延長のようだ.

 

上の標本は,陥没坑の西の延長にある谷にある坑口のズリでサンプリングしました.もともと鉱石らしいものが少なく,見物程度で2個サンプリングしたにすぎませんでした.画像も上の2枚だけ残っていて,フォルダにはこの後に訪問した瀬戸鉱山のでかい斜坑と金谷鉱山のズリの画像が残っていました.

 この鉱山に関して文献を漁ってみたのですが,地質図幅の説明書に少しだけ記載がありました.鉱床の発見は明治40年頃のようで,本格的に稼働を始めたのは昭和15年からのようです.このあたりの書き方が少し気になったので,鉱区一覧で確認したところ,昭和12年ごろに試掘鉱区を設定して,昭和15年ごろから採掘登録になって終戦頃まで稼業されたよう.昭和30年ごろまで稼業されていたような記述もほかの文献で見られました.

 

 上の標本は角閃岩の変質したような岩石中のやや珪化した部分に鉱染状に入っている黄銅鉱です.黄銅色の部分以外の淡い黄銅色―真鍮色部は黄鉄鉱です.緑黒色~黒色のベタっとした部分は角閃岩が変質して蛇紋石系鉱物になったもので,ほかの白色部は石英でした.