サーピエリ石(Serpierite) 大阪府豊能郡豊能町吉川保の谷 桐山鉱山 | 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ

サーピエリ石(Serpierite) 大阪府豊能郡豊能町吉川保の谷 桐山鉱山

銅鉱物

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Serpierite サーピエリ石

大阪府豊能郡豊能町吉川保の谷 桐山鉱山

Locality:Kiriyama Cu mine, Honotani, Yoshikawa, Shippouzan mining district,

Toyono town, Toyono district, Settsu old county, Ohsaka prefecture, Honshu island, Japan.

(非売品)

Serpierite サーピエリ石 

Ca(Cu2+,Zn)4[(OH)3|SO4]2・3H2O

単斜晶系.

 

 ここのところずっと初成の銅鉱物ばかりでしたので,二次鉱物を一つ.銅の二次鉱物は種類が多いのですが,本邦の場合大きな集合が無い上に皮膜状であることが多く,興味が無いのでほとんど残していません.

 

 上の標本は10年くらい前に桐山鉱山の坑口の位置を探索しに行ったときにサンプリングしたものです.入口の鳥居を潜った先で二俣になり,直進すると大規模なズリがありました.こちらはいろいろな銅の二次鉱物が出ているらしいのですが,筆者は初成叩きなのでずっとスルーしていました.

 

 標本は二俣を右手にカラミを追いながら登って行った奥にある旧坑でサンプリングしました.こちらは緑泥石化した頁岩および塩基性凝灰岩中の石英脈で,淡黄白色針状の単斜灰簾石をともなっていました.黄銅鉱はこの脈に黄鉄鉱・斑銅鉱・閃亜鉛鉱などともに,黄銅色金属光沢を呈する粒状をなして入っていました.

 二次鉱物はこの集合の白色の粘土を伴う小断層?の割れ目に,帯緑水色ガラス光沢を呈する微細な針状をなしていました.

 

 この割れ目は白色板状の細かい石膏と,黄褐色粉末状の鉄明礬石?を伴っていました.もともとラベル名は「黄銅鉱」と記載していましたが,顕微鏡で確認したところサーピエリ石でしたので,併記しました.その際に顕微鏡撮影をしました.