鉱物の顕微鏡写真25 ―ティール鉱― | 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ

鉱物の顕微鏡写真25 ―ティール鉱―

顕微鏡写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉱物の顕微鏡写真25 

―ティール鉱―

(正面より)

(側面より)

産地:Carguaicollo mine, Antnio Quijarro province,

    Potosi department, Bolivia.(非売品)OY社で購入.

 

 


 

Teallite   ティール鉱

[組成]           Pb2+Sn4+S2

[結晶・形態]        直方晶系.自形結晶は,[001]方向に伸長した板状.

               結晶面はしばしば湾曲する.葉片状や脈状集合など

                             になる.

[色]            銀白色・銀灰色・鉛灰色・鉄黒色など.錆びると表面

                             が青色味がかかったりする.

[光沢]          金属光沢~亜金属光沢.不透明.

[モース硬度]      1.5~2

[比重]          6.36~6.57

[劈開]          {001}1方向に完全.

[条痕]          黒色.

[名称]          UKの

               Jethro Justinian Harris Teall(1849-1924)

                             に因む.

[原産地]         Santa Rosa vein, El Salvador mines, 

                             Monserrat-Antequera mining district, 

               Poopó province, Oruro, Bolivia.

 


 

  ときには,錫鉱として採鉱されるやや珍しい錫の硫化鉱物.もともと手持ちの標本として,北海道豊羽鉱山のチップのような石を持っていました.

 海外のものは立派なものが出ていると思い,色々探したところ上の標本を見つけて購入しました.

 共存する鉱物は黄鉄鉱とウルツ鉱くらいで,組み合わせは,簡単な組成の鉱物と一緒に出てくるようです.

 

 産地はかなり標高が高いらしく,山岳沙漠の中にある鉱山で,火山岩中の鉱脈鉱床だそうです.

 標本はティール鉱―ウルツ鉱からなる鉱脈の一部で写真の右端の方に母岩の珪質岩が写っています.

 

 以下顕微鏡写真.

 

帯青鉛灰色金属光沢部がティール鉱です.

 

こちらはティール鉱の脈の盤際に共存するウルツ鉱です.

 

 

 

先で少し触れましたが,下に国産標本を掲載します.

産地:北海道札幌市南区定山渓 豊羽鉱山(非売品)

L社で購入.

 

 こちらがもともと手元にある標本で,小さいルースに入っていました.

 事前に,この手の石に赤錫鉱(Rhodostannite)が入っているという情報

があり,標本市場で見た時にいくつか求めた.「赤錫鉱を探すのか」と

云われましたが曖昧な返事だけをして後にした.

 

 当初は写真に写っている赤い部分が赤錫鉱と思っていましたが,これ

は閃亜鉛鉱で,赤錫鉱はもっと鮮やかな赤色と云って違うことが分かり

ました.ティール鉱は写真正面のアルミチップのような部分で,薄い所為

か一部が曲がった部分です.

 

 

 

 

 

 

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