青山高原付近にて | 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ

青山高原付近にて

露頭巡り

 

青山高原付近にて

 

涼しくなってどこか行こうと思い、鈴鹿山脈の続きにある布引山地に行ってきました。山地の北部には花崗片麻岩が分布していて、大水が来るとよく崖崩れなどを起こしています。

 今回は大山田から青山町にかけて何か出ていないか、探しに行ってきました。この日は、時々時雨が来る曇り空で、影に入るとひんやりとしていました。

 村の南西部にある谷に入り、川原や露頭を探しながら遡上した。川原の石には、黒雲母花崗片麻岩の礫がたくさんあり、石榴石の粒が入ったものがあった。

 一部に斑レイ岩質のペグマタイトがあり、最大50㎜30mmの角閃石の巨晶が入っているものも見られた。


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谷に架かる無名の滝。二段の直瀑で、見ごたえがありつい撮ってしまった。

 

 林道は二又になり本流の方は通行止め、右の沢には何もなかったので、登ってみることに。終点近くの林道の脇に、最近の台風で大きく溝が抉られ、脈が露出しているところがあった。

 母岩は風化してボロボロになっていたが、石榴石の多い部分があり、少しサンプル用にハツって帰った。産しているものは、石榴石だけで紅柱石や菫青石などは見られなかった。


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林道脇の露頭からハツった鉄礬石榴石。大きなものは直径15mmほどの大きさがあった。きれいに成形しようとするとすぐに裂開にそって崩れてしまう。母岩の一部に鉄焼けが目立ち、源鉱物は磁鉄鉱ではなく黄鉄鉱のようだ。

 

 谷の入口付近に簡易水道の施設があり、隣の谷が大きく崩れていたので、入ってみることにした。ここも片麻岩が多く、時折黒雲母の大きな劈開が見えたりした。

 一つ、杣道の手前の石英脈をつついていると、鉄電気石を含む部分が出てきた。

採取しやすい部分をハツった。

 谷の中は暗かったので、明るい部分を探して確認すると、鉄電気石の着いている母岩は紅石英だった。


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谷の露頭で採取した鉄電気石。ペンライトで照らすと、半透明なのが分かり部分的に黄色の部分もあった。色で判別できるかは不明だが、苦土電気石かもしれない。

 


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谷の露頭で採取した紅石英。この石の裏側に上記の鉄電気石が付いている。本邦のものにしては色が濃い方。色の濃い部分はこの石の部分しかなかった。

 

 山地の最高峰である笠取山の南側の谷は通行止めになっていたが、通行止め看板の横が軽自動車一台分開いていたので詰めてみることにした。一部分に路肩が崩れているのと、樹木が邪魔している程度でした。

 この奥で、カット面で石榴石の多い部分が崩れていたのでサンプル採集した。


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林道のカット面の露頭に出ていた、石榴石の多い部分。一部に鉄電気石の粒を伴っているもので、母岩がボロボロで、電気石の着いている部分は取れてしまった。

 

 林道をしばらく登ると尾根筋の広い道にでた。青山高原に立ち寄った。

 低木とススキと笹原の続く尾根で、数十基の風車が回っていた。

 途中「青山高原の三角点」に寄ってみた。展望台になっていたが、あいにくガスの中で、伊勢湾は見えなかった。


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青山高原の三角点。


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山頂周辺。中央に三角点がある。ガスの中で、近くの山もよく見えない。駐車場から約3分で着く。山の名前は後に文献で「髻山」というのを知った.

 

 帰りは、伊勢街道を西に行き、室生に入って大和高原の広域農道を北上した。渋滞する市街地をすべて避けて通ったため、意外と早く帰ることが出来た。

 

 

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