早速最近調べていることについて書く。
最近「中学生がいじめを苦にして割腹自殺した」というニュース(真偽の程は定かでは無いが)を見た。
その時ふと思ったのは「罪もない子が可哀想に」でも「いじめを放置する学校は何をしている!」でもなく「『割腹』の初出はなんだろう?」だった。そこである程度調べた結果を残す。
前提として自分はアカデミックな指導を未だ受けていないことには留意して欲しい。また、以下の文章はクソ長いし、見る価値も無い可能性があるので結論だけ知りたい人は読み飛ばすことを推奨する。
まず国立公文書館デジタルアーカイブの他機関との横断検索
で「割腹」が含まれる資料を検索してみる。
すると慶応3年(1867年)12月11日作成の下の資料がヒットし、
そこに「...我等割腹スト聞カハ...」という記述がみられる。
ちなみにこの資料作成の2日前に王政復古の大号令が出されたらしい。
閑話休題
次に下のサイトでも同様に検索してみた。
すると文久2年(1862年)閏8月10日に作成された先程の資料よりも古い「旧侯爵木戸家資料」がヒットした。
この資料には3回程「割腹」という語が登場している。内容は来原良蔵という藩士の自害についてのようだ。
自分が日本語資料で調べられたのはここまでである。
ここで日本語と言及したのは中国語についても調べてみたからだ。もちろんある言語の語彙のを調べる上で隣合う言語を調べることは重要である。殊更に今回は漢字の二字熟語であるため中国語についても調べるのは筋であろう。
まず下記のサイトで「割腹」を検索する
すると最も古い記録として「太平御覽」の《百穀部二》《麥》の28章目に
西安國,每十月,令巫者赍肴詣山中,散糟麥於空,犬咒呼鳥,俄而鳥如雞飛入巫者之懷。因割腹而視之,每有一谷,來歲必登;若有霜雪,必有災異。其俗信之,名為鳥卜。
とある。Wikipediaによるとこの資料は西暦977年~983年に作られたようだ。