あなたは中華圏に信者の多い道教の聖典を知っていますか? それが『修真図』と 『内経図』です。
道教ほど人間の身体を重要視した宗教はありません。人の身体をすべての基礎と捉えているのです。
『内経図』は、道家の修行者が永遠の生命を求め修行する、性命双修(身心の全面修煉)の功程を記した内容です。
『修真図』は、内面的には心性(性情、性格)を、外面的には身命(生命、精神、命運)の真実を修めるための指南書といえるものです。
ここには、道教の身体観である身、形、質、体、躯、神、生、死など多くの局面が描写、記述されています。
そして道教の身体に対する捉え方で、人の身体と自然は切り離すことのできない、天人一体、天人合一の宇宙的規模をも提示しています。
こうした天人一体の身体観の中で、身体を鍛える功法と武術は古代からあります。人と自然の関係は身体と自然の関係ともいえます。
身体訓練の究極の目的は人と自然の、新しいさらなる協調一致、そして統一なのです。その目的のためには人間の身体を変革、転換しなくてはなりません。
そこに至る永い道のりの第一歩が、本書の中に発見できます。