いくみ短歌会12月の歌帯を解き肩から滑らす装いの丸き脱け殻今より日常初雪を少し残せるいちいの木ビルの明かりをわずかに受けて風雪に埋もれ声なき自転車たち主ぞいつ来る校庭の隅阿部良香 作寄るの更けてサンタのごとく君が来る雪の香りを身にまとわせて忙しき師走の君との逢瀬待つ手帳を開き眺めて過ごす梨木いずみ 作どの家を温むるタンクローリーか夜明けの国道疾走しゆく夜勤明けの主を待てる車へと一晩中を雪は降り積む吉田千寿子 作