とりあえず今まで詠んだ短歌の中で、自分では気に入っているものを抜粋。



友達でいられなくなるくらいなら そっと見守る 冬のオリオン


独りでは生きてゆけぬと泣きながら 生かされている 水温む春


唇の味しかしないキスをする 今雨垂れの音が聞こえた


鈍色の蛇口滴るひと雫 しんと破れる冬の静寂


今夜2時 私の世界は滅ぶけど 何事もなくそよぐ青い葉


橙のガス灯たちに見守られ 世界でたった一人の私


サンダルの形に日焼けした足を 通り過ぎてく 空のプリズム


オレンジのランプはそっと温める 乳癌だった猫の肉塊


猫だったものにひたひた落ちてゆく 水は私の目から出ている


一昔前のレトロなフィルムの 搔き傷のような冬の雨脚


目の前の笑う眉見て三日前怒ってた声思い出す 不思議


鳴る筈のない着メロが耳奥で 汐騒のように静かに、小さく


タバコ屋の軒下佇む私を 淋しく見せる雨のカーテン


ミシン目のごとく縫われた父の皮膚 それでも木々は風口遊ぶ


かかりくるTELの時間も言い訳も 分かりたれども待宵の月


三歩半 先を往く君の影を踏む 晶子と鉄幹みたいな二人


鉛筆をことり置きたるたまゆらに 君への憎愛 薄く過ぎゆく


喉仏気にする君の横顔に初めて男を見たり 放課後


紙削る砂消しゴムの堅さもてインディゴブルーのあの日残りぬ

ほとんどうたのわで詠んだものです。

拍手の数と自分のお気に入り度って、イコールじゃないなあ…。

だいぶ余震に慣れてきて、
震度3か4かくらいは体感で分かるようになってきました。
分かったからって別に何もないんだけど。

震災直後は余震酔いして、ちょっと気持ち悪かった。
車酔いに似た気持ち悪さ。
揺れてない時も揺れてるような錯覚を覚えたり。

結局うちはギリギリ23区の端っこに引っかかってるんだかないんだかで、
まだ停電したことありません。
その内するかもだけど。
とりあえず節電対策に、パソコンの電源を落としてコンセント引っこ抜いてます。

余震に慣れてしまえば、あと困ったことと言えば、
トイレットペーパーが切れたので買いにいったら
買い占められてて売り切れてたことくらい。
乾電池とかボックスティッシュとか、食パン、水なんかも売り切れ状態ですね。
ちょっと落ち着け東京の人、と言いたい。

会社の中で何人か、休みを取って疎開する人が出てきました。
でも私は帰るつもりは今のところありません。
原発のことも、此処はチェルノブイリではなく日本だし。

私は日本人の勤勉で緻密な民族性を高く信頼している。
きっと今頑張っている原発におつとめの方々や自衛隊、消防隊の人達が、
何とかしてくれるに違いない。

震度5強くらいなら、会社のビルやアパートは耐えてくれることが分かったし。
内陸だから津波も来ないし。
地震が来ても作画机が無事で鉛筆と紙さえあれば仕事出来ちゃうし。
放射能が漏れてても仕事はあるし締め切りは来るし。
地面が揺れても熟睡している我が家の老犬を見習って、
いつも通り仕事します。
仕事したくても出来ない人達に比べたら幸せですしね。

では!


こんなときこそ普通にお仕事!とか思ってたんですが、
やっぱり全て平常どおりとはいかないですね。当たり前か。

停電、第一グループに入ってるんで、
ブレーカー落として準備してたんですが、
結局今日は何も無かった。
明日かな。

気休めですが余震に備えて、
窓が割れてもガラスが散らないように、
カーテンをテープで壁に貼り付けときました。
窓の下に犬のゲージがあるので、
老犬の上にガラスの雨が降らないように。
あと食器棚も。

我が家には犬より背の高い家具は無いので、
あとは上から落ちてくる物は無い…と思う。
別に地震対策でそういうインテリアにしてたわけじゃなくて、
狭い部屋を広々と見せる為にそうしてただけなんだけど。

こんな感じでぼちぼち元気にやってます。
節電、節電。
剥離製ペーパームーン鉛筆で真昼の月に変える日常(デッサン)

余震が続き、少し酔い気味ではありますが、
東京住まいの私は一足先に日常生活に戻ります。

M9.0、世界で四番目の規模の地震だとニュースで見ました。
まさかこんな天変地異が、自分の国を襲う時が来るとは思ってもみなかった。
他所ごとだと思っていたし、思っていたかった。

日々振り回されていた自分の悩みとか迷いなんて、
本当に小さなことだったんだな、と痛感しました。
ありふれた日常の貴重さを噛み締める。

一つでも多くの命が助かりますように。