伊予の介の妻、空蝉が光源氏の歌に応えた歌

蝉の羽もかたちかへける夏衣かへすを見ても音は泣かれけり




せみのはも/たちかえてける/なつごろも/かえすをみても/ねはなかれけり




蝉の羽のような薄衣をお返しになるにつけて、私のことはお忘れになるお心かと泣かれます。
円地文子訳