夕顔の四十九日に光源氏が詠んだ歌

泣く泣くも今日はわが結ふ下紐をいづれの世にかとけて見るべき




なくなくも/きょうはわがゆう/したひもを/いづれのよにか/とけてみるべき




泣きながら今日私は供養の袴の紐を結ぶが、いつの世またうち解けて逢うことが出来るのだろう。
円地文子訳