果てしなく遠い道のり。



【吉田正俊】

遠く来てやすらふ町の中の宿とよみ夕づくに向ふ桜島

冬ながら草萌ゆる園に心和(な)ぐかくありて吾が衰ふるらし

冬日光(ふゆひかげ)室の半(なかば)まで射し透り南の崖に馬酔木にほへり

【山本牧彦】

おのづから惜身命(しゃくしんみょう)の偈(げ)となりてひぐらしぞ啼く樟(くす)の木むらに

※ ※  wikiぺディアから ※※
サンスクリット語gāthā)とは、
仏典のなかで、の教えや仏・菩薩の徳をたたえるのに韻文の形式で述べたもの。
「偈陀(げだ)」「伽陀(かだ)」とも音写し、意訳して「偈頌(げじゅ)」という。対して散文部分を「長行」という。

【佐藤佐太郎】

おしなべて味ふかき人の生をあゆまんとする今日より君は

【上田三四二】

うつくしきものは匂ひをともなひて晴着のをとめ街上を過ぐ

透明に身を吹くものは竹群(たかむら)にまちとられ秋の風音となる