9月1日月曜日

秋めくと言ひ切ればさもひと夏の短きまでも忘れ玉の緒

9月2日火曜日

憂きことをいづくに収め帰るらん都会のビルに挟まる小径

灰燼と散らぬ瓦礫を鎮めたし死が死とならぬ霊の軽みに

情念の重み虚しく切れ切れの夢を紡ぎつ人を忘れつ

風孕む全きの生と礎 戦場拓く端末の機器

すでにして夏踞り摩利支天秋透き通る白帝城下