【もんじゃ焼きと袋回し】……後編
■ばたばたと袋を回す花の宴「そう言えば、『袋回し』をやるとか、やらないとか?」と俺が丸姉さんに言うと…「あっ、すっかり忘れてた。話が楽しくて楽しくて」「せっかくだから、やりますか!!」「ですね」「やろうやろう」と言うことで、『袋回し』の始まりです。さて『袋回し』って、なんぞや?簡単に説明すると、先ず一人づつに封筒が配られ、そこに好きな季語を書き込みます。そして、制限時間を5分とかに決めて、その季語を詠み込んでチャチャと俳句を作り短冊に書きます。それを封筒に入れ、隣へ回します。今度は隣の人が封筒に書いた季語で句を作り、短冊に書き封筒の中へ。その繰り返しをして行き、一周したら、それを纏めて正記して、句会をするというお遊びなんです。ここは、丸姉さんが仕切ります。「えーと、時間も限らて居るので、2人で一つの封筒に、お題を相談して書いて下さい。あっ季語でなくてもOKにします」俺と志ん矢さんと組になり、封筒に『もん』を詠み込むと書きました。志ん矢さんが「漢字でも、平仮名でも、何でも良しにしましょうか?」「助かります」と俺。「お題が4つ出揃ったようなので、制限時間5分で、短冊に書き込んで下さい」と丸姉さん。賑やかだったテーブルが、一変して静まり返り、皆んな真面目な顔になります。俺は邪魔な紙袋を、大きくずらして『門衛の……』と短冊に書き封筒の中へ。志ん矢さんもさらさらっと書いて封筒の中へ。「はい、時間でーす。封筒を回して下さいね」次のお題は『朧』です。「一句じゃなくても良いよね」とユーカリさんです。「短い時間に、そんなに作れるんですか?」と俺。それに答えて「短冊が足りないかも?」とユーカリさんです。俺は、一句作るのに必死なのに…… ん~~『朧月……』「はい時間でーす。回して下さい」次は花曇。「時間でーす」最後は『門』おいおい、被ってるってば!!お題が4つなのに被るかな……。さっきは門衛を使ったから……あっ、門前の習わぬ俳句とか……いやはや……何とか短冊に書いて封筒に入れた時に、店員さんが「お会計お願いします」慌てて、短冊を全部出して並べて、江戸里さんが写メを撮り、「LINEに送りますね」「後は、LINEで選句と言うことで、あッとらをちゃん、割り勘で良いよね?」「うん、もちろん」「一人、3400円です」「はい、わたし万札しかないです。すいません」「私がまとめて、カードで払って良いかしら?」「ポイ活ですか?」「そうなの、宜しく」「どうぞどうぞ」ばたばたと階段を降り始めます。「あっ、丸姉さん」と俺。「え、何?」「この紙袋、誰か忘れてるけど?」「あっそれ、とらをちゃんだよ。皆んなからお土産だよ。これがユーカリさんから、これは雪花さん、こっちは今日子さん、それから志ん矢さんから、これはあたしから、それから……」「えっうわッ、そうなの!ありがとうございます」ずっと、邪魔扱いしていた紙袋が、俺へのお土産だったなんて!?皆さん、ごめんなさい!!この後、皆さんは二次会へ行きましたが、俺は終電がぎりなので、お土産の御礼言って、お先に失礼しました。ユーカリさんと今日子さんは、明日は日光に寄ってから岐阜へ。雪花さんは、お子さんの所に今夜は泊まり明日岐阜へ。梅玉さんは、浅草に一泊して富山に帰られました。おしまい。※俳号は仮名です。