ウクライナに侵攻したロシア軍戦車の撃破された映像や撃破された戦車の残骸を動画で観ることが多くなった。
ロシア軍戦車兵も多く犠牲となっているのだろう。
戦車大国ロシアだが、米軍供与の対戦車ミサイル「ジャベリン」は今回の戦闘で有名になったが、ウクライナ軍にはウクライナ国産の対戦車ミサイル「STUGNA-P」というのも活躍しているようだ。
こういう動画が世界を巡り、きっと対戦車ミサイル市場で売れるんだろうね。
そして儲けるのは誰か・・・・。
「戦車なんて対戦車ミサイルがあれば撃破できる、戦車なんてもういらないね」なんて考えが蔓延しそうだ。
ロシアが戦車等の戦闘車輛で勝てないと思えば・・・・、核兵器を使うかもね。
戦争で核兵器を使用した国はアメリカだが、戦争中日本本土に近づくほどに米兵の死傷者が増え、都市への無差別爆撃を行っても降伏しない日本に対して原爆を投下した。
プーチンはロシアが勝つためなら核攻撃くらいするだろう。
プーチンが核兵器を使わずしてこの戦争を終わらせるだろうか?
プーチンが開戦前にロシア軍で示威行動をしている時「まさかロシア軍は侵攻しないだろう」と評論家が言っていたが・・・・振り上げた拳は必ず相手を殴るのがプーチンだ。
そして殴った以上勝たなくてはならないのが戦争だ。
無差別にミサイルを撃つロシアは段々攻撃が熾烈になるだろう。
話が大きくそれた。
STUGNA-Pはウクライナのキエフ国家設計局Luchによって開発製造されている対戦車ミサイル。
Luchはミサイルや魚雷といった誘導兵器の開発を専門とする設計局として、ソ連時代の1965年にキエフに創設され、ウクライナの独立とともにウクライナ国防省の管轄に移された。
当初はソ連時代のミサイルの保守などを行っていたが、2000年代からはソ連時代の兵器をベースに改良を行った独自の対戦車兵器の開発を始め、その一つとして開発されたのが「STUGNA-P」になる。
STUGNA-Pファミリーには100mm、105mm、115mm、130mm、152mmと5つの口径があり、対戦車に用いられるのが主に130mmと152mmになる。
タンデム成形炸薬弾頭(HEAT弾)は、爆発反応装甲の背後にある700mmのRHA(均質圧延装甲)を貫通することができる。
105mmでも装甲貫徹力は660mmになる。HEAT弾の他にも榴弾(HE弾)、燃料気化弾がある。
105mmと115mmは戦車砲用に開発されたもので戦車の戦車砲からも発射できる。
ウクライナ軍は115mm砲を搭載するT-62BMを主力戦車の一つとして運用している。
STUGNA-Pは24kgのミサイルと32kgのランチャー、三脚、半自動レーザー誘導装置、およびリモートコントローがセットになっており、ジャベリンやNLAWのような携行式ではなく固定設置型で機動力という点では大きく劣る。
しかし、その分、射程は長く、最大5000mになり、これはジャベリンの倍だ。
14.3秒で5000mの距離に到達する。
また、ランチャーは離れたところからモニター越しにリモートで操作できるので、射手の安全はある程度担保されている。
ミサイルの誘導はレーザー誘導方式になる。
STUGNA-Pはウクライナの防衛産業をまとめるウクロボロンプロム社が「Skif」という名で海外にも輸出しており、アルジェリア、サウジアラビア、ミャンマーにも販売、他複数国も購入を検討するなど人気の兵器で輸出用の生産も行っていたが、ロシア侵攻を受けて、輸出用に生産したものも自国の軍に回している。
2018年にはウクライナ軍用に200基の発射装置と3,000発のミサイルを製造しており、多数のSTUGNA-Pがウクライナ軍に配備されており、ロシア軍の車両に牙をむいているものと思わられる。
対戦車ミサイル「STUGNA-P」で撃破されたロシア軍のT-72B戦車。
ロシア軍の最新鋭戦車とは言えないが・・・・T-72なら確実に撃破できることは実証されたということだ。
日本はもしウクライナがロシア軍を撃退し終戦となったら、物を与える支援より今回の戦闘で活躍した兵器をたくさんウクライナから買ってやることだと思う。
戦車兵としては複雑な気持ちだが・・・・・。