ちっぴぃちゃんズは元女性自衛官で10年間自衛隊で勤務した芸人さん。
戦闘職種の重迫撃砲の陸曹だった。
元自衛隊出身の芸人さんでちゃんと大きな号令をするのはちっぴぃちゃんズくらいなものではないだろうか?
ちゃんと訓練をした本格的な自衛官の号令である。
自衛隊の号令にはいろいろあるが、号令一つで一斉に部隊を動かすにはコツがある。
軍隊用語、すなわち自衛隊で常用される自衛隊用語は、通常の会話より短く歯切れのいい言葉が多い。
いざと言う時の作戦行動は1分1秒を争う。
その為、指揮官は、短時間のうちに多くの隊員に意図を伝えなければ行けない。
また部下が上官に報告する場合も、だらだらと長い報告でいたずらに時間を費やすと勝機を逸してしまう。
その為、短い会話で隊員相互に意志をできるよう自衛隊用語は短い言葉が多い。
私もよく声が大きいと言われるが、自衛官は一般的に大きな声で話すのが特徴でもある。
『大きな声』『明瞭な言葉づかい』は、特に部隊を指揮する場合には絶対的に必要な要素だ。
小さい声では、広々とした野外や砲弾の飛び交う戦場で指揮官の命令が部下に伝わらない。
その為、大きな声ではっきり意志を伝えるのは必須事項なのである。
その時の注意事項として大きな声をあげればそれでいいように勘違いしますが、『明瞭』で無ければ意味がありません。
つまり『ハッキリとしゃべる』と言う方が声の大きさよりも重要なのです。
隊員の基本的な動作を習得する『基本教練』という課目で定められた号令の出し方に、正しい号令の掛け方が明記されている。
号令には予令と動令があります。
例えば『右向け右』と言う号令は『右向け』が予令で『右』が動令です。
最初の予令で、どういう動作をするべきかを隊員は理解する。
その為に予令は『明瞭に長く』発音しなければ行けません。
そして、動令は実際に行動を起こすので『端切に強く』発音します。
したがって『右向け~』という号令はハッキリと聞こえなければ隊員は間違った動きをしてしまうことがある。
逆に言えば『右向け』という予令が伝われば、動令である『右』は、正確に聞き取れなくても動作は間違いません。
極端に言えば「あっ」と言っても『ぎゃあ』と言っても隊員は右向け右の動作をする。
大きく声を出そうとするあまり慌てて最初の予令を『右向け!』を強く発音すると聞き取りにくい場合がある。
部隊の隊員の数が多い場合は、特に予令と動令の違いがハッキリと解っていないと、解りにくい号令を発して部隊を混乱させてしまうこともある。
これは自衛隊の部隊を動かす場合の鉄則ですが、号令を掛けるのが下手な指揮官は、予令と動令の意味を正しく理解できていません。
正しい号令を掛けるコツは簡単です。予令を大きく長めにはっきりと発生する。
自衛隊の号令にはいろいろあるが、号令一つで一斉に部隊を動かすにはコツがあるってことだね。
声が小さいとそもそもダメってことだよ。
陸曹候補生の二次試験では分隊教練の分隊長として部隊に号令をかけなければならない。
これを経験していない陸士長は自衛隊に長くいてもあまり号令はうまくないね。