小さな出会い。
りぴです

今日は、ある日の小さな出会いのお話。
とある広場で子猫を見つけた。
その子猫は、ピンク色の首輪をしていた。
歩くたびに、チリンチリンとかわいい鈴の音が聞こえる。
ベンチに座っていると、こちらの様子を伺うように、
テチテチ・・・と歩み寄ってきた。
「おいで。」
手を差し伸べる。
しかし、その子猫は、ビックリしてさっと茂みに隠れてしまった。
まるで手を出されることに怯えているようだった。
しばらくすると、茂みからガサガサと音がして、
隙間からこちらをじっと覗いている。
俺は、読んでいた本を閉じて、
子猫の視線にあわせて体を傾けた。
笑顔で呼びかける。
「おいで。」
茂みから小さな顔が出てきた。
「ちゅっちゅっちゅ」と子猫に合図を送る。
その声に反応して、俺の顔色を伺いながら出てきた。
俺は、その子猫にほほえみを送りながら、
手を差し伸べる。
「おいで、大丈夫だよ。」
すると子猫は、安心した顔で身を預けてきた。
白く滑らかな子猫の毛並みは、まるで初雪の柔らかさに似ていた。
それなのに心地よい温かさ。
撫でているだけで幸せな気持ちになる。
子猫もいつのまにか甘えてくるようになった。
「みゃーみゃー。」
嬉しそうに話しかけてくる。
俺は、頭をなでてあげながら子猫と会話をしていた。
おまえは、迷子なの?
この近くで飼われてるの?
こんな子猫なのに、外に出てきちゃって、寂しかったの?
子供の頃って甘えたい時期だよな。
・・・そろそろ、バイトの時間だ。
子猫に、お別れの意味も込めて最後にもう一度なでてやる。
「みゃー・・・」
俺が離れるのをわかっているのか、寂しそうな鳴き声で俺を呼んでいる。
ザッザッザ・・・
砂利道を歩きながら、少し離れたところで後ろを振り返る。
すると、子猫はベンチの上で俺のほうをずっと見ていた。
「また逢いにいくよ。」
風に乗って鈴の音が、あたり一面に鳴り響いていた。
コタツがあると外に出ないでもぐりこんでいる、りぴなのでした
