あの日きちんと自分の気持ちを伝えたかった。

最初から勝ち目なんてないことは分かってた。

だけど、伝えなければ終われなかった。

伝えて終わりにしたかった。

後悔はしたくなかったから。

けれど、それすら許されなかった。


ほんの些細な事で、バカみたいに喜び、笑い、

ほんの些細な事で、本気で悩んだ。

時間は激流のように足早に流れていったけれど、

自分自身のその気持ちに気づいたその時から、毎日が明るくなったような気がした。

その気持ちが届くことはないと分かっていたのに、抑えきれずに想い続けた。


思えば、この恋には障害が多すぎて、そして大きすぎた。


結局は「都合のいい男」。

そんな風に映っていたのかもしれない。

でも、それでもよかった。

「恋は盲目」って言うけど、まさにそんな感じだった。


あの日。


はやる気持ちを抑えながらも、その時が待ち遠しかった。

1日1日がものすごく長く感じた。

いざその日が来ると、時間は嘘のように早く過ぎた。

想いを告げる瞬間は十分にあったはずだった。

でも、現実はそう上手くはいかなかった。


その日、気持ちは言葉として表に出ることはなく、いつまでも胸の中で燻っていた。








それから3週間が過ぎた。

友の助けも手伝って、再びチャンスが巡ってきた。

今度こそ、そのチャンスを逃すまいと必死になった。

それこそ、周りが見えなくなるほどに。


あの時、何を言ったのか正確には覚えていない。

ただ、想いを言葉へ変えることは出来たはずだ。

困ったような顔が結末を予感させた。

けれど、後悔はなかった。

一夏の恋が終わりを告げようとしていた。。。