今回のレスリング世界選手権、我が至学館大の卒業生が2人、現役
学生が3人と7階級中5階級が私の教え子です。うちの大学の学生
は、全員私の授業を取るのです。これだけ至学館ゆかりの選手がい
るのと、オリンピック種目復活のために女性の登用を決めたのが、
今回団長が私に回ってきた理由です。

吉田選手と言わないと必ず文句が来るのでそういう書き方をしてい
ますが、一緒にいる時は、さおり、さおちゃんと呼びます。吉田選
手なんて呼び掛けると、他人行儀だと言われます。入学したての頃
は、素晴らしい敏捷さと抜群の技術を持ちながらも、スタミナがな
くて、最後まで体力が続かず国内でも勝てない選手でした。好き嫌
いが激しくて野菜が嫌い、ランニングも嫌いなさおちゃんを毎朝無
理やり走らせ、食べることを見張っていた先輩が、現在の栄監督夫
人のれなでした。さおがカモフラージュ役になってあげたので、二
人はマスコミにばれずにデートできました。アスリートととしてもスゴイけど、あんなに気持ちのよい若者は見た
ことないほど、素直で飾らない人柄。一番強いはずですが、私は彼
女の試合がいつも一番緊張します。なにしろとんでもない泣き虫で
、負けた時は、2日間は泣き続けます。

カオリンこと伊調馨は、いつもマイペース。動じない人です。高校
生の時からそうなのです。あんなふてぶてしい高校生は見たことな
かったです。彼女は、試合の相手を倒そうとは思わないそうです。
自分の力を出そうとするだけ。で、必ず勝つ。カオリンは、結構甘
えん坊でもあります。

この二人は、勝って当然だと思われているので、余計に心配です。
本人たちも、自分自身が最大の敵だと考えています。そういうこと
をサラリと言っても当然に聞こえてしまいます。今のところ二人と
も調子が良いので、栄監督はなおさら胃が痛いようです。

現役学生のチビたちは、次回紹介しますね。