『セラミック』とは、陶器のように高温で焼き固めた人工素材です。
天然の歯に近い色合いや透明感を再現できるのが最大の特徴で、また表面がなめらかで汚れがつきにくいため、虫歯や歯周病のリスクも抑えられるという利点もあります。
見た目の美しさ、身体へのやさしさ、そして高い耐久性。
そのすべてを兼ね備えた『セラミック』は、現在の歯科治療の中心的な素材です。
★歴史とともに進化してきた『白い歯』
歯科におけるセラミックの歴史は古く、1838年にはすでに人工歯として使用が始まりました。
しかし当時は硬くて脆く、実用化は限定的でした。
その後1950年代、金属フレームにセラミックを焼きつけた『メタルボンド冠』が登場。
強度と見た目を両立させた画期的な治療法として、現在でも多くの治療で使われています。
しかし、金属が光を遮るため、自然な透明感には限界があるという課題も残っていました。
1990年代以降、技術の進化により、セラミックをコンピュータで精密に削り出すことが可能に。
これにより、金属を使わず高い強度と美しさを両立した『オールセラミック冠』が実用的となりました。
素材もさらに進化し硬くきれいなジルコニア・e-maxなど様々な種類が登場しています。
★セラミックのメリット・デメリット
メリット
• 自然な白さと透明感で美しい見た目に
• 汚れがつきにくく清潔、虫歯・歯周病予防にも
• 金属アレルギーの心配がない(オールセラミックの場合)
• 高精度な技工仕上げでぴったりフィットする
• 適切に使えば長期間使える高い耐久性
デメリット
•保険適用外のため費用が高め
•メタルボンドやe-maxは強い衝撃が加わると、欠けることがある
•高度な技術と精密な製作が必要なため、歯科医院選びが重要
★歯は何度も治療できません。あなたはどの治療を選びますか?
虫歯や銀歯の下に虫歯ができてしまったとき、治療には『保険治療』と『自費治療』の選択肢があります。
「とりあえず保険で治して、また悪くなったら治療すればいい」と思われるかもしれませんが、歯は削るたびに弱っていきます。
同じ歯を何度も治療すれば神経を取らざるを得なくなることが多く、さらに悪くなると歯を失ってしまうことも。
最近は保険でも奥歯は『白い歯』が選べるようになりましたが、セラミックではなくハイブリッドプラスチックになります。
素材がやわらかく、壊れないように厚みをもたせるため健康な歯を大きく削る必要があります。
ただしこの材質は劣化が早いため、かみ合わせがずれたり二次虫歯ができたり強い力で外れたり、割れたりすることがあります。
当院では、こうしたリスクを減らし、見た目も美しく長持ちする『セラミック治療』をおすすめしています。
初期費用はかかりますが、再治療が少なく済むため、長い目で見れば治療費を抑えられることもあります。
銀歯を1本ずつセラミックに替えることも可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
※当院では保険で奥歯の白い歯(CADCAM冠)は上記のようにトラブルが多いため取り扱っていません。前歯に関しては従来通り銀歯のフレームの上にプラスチックを被せた白い歯(前装冠)で治療が可能です。