『セラミック』とは、陶器のように高温で焼き固めた人工素材です。

天然の歯に近い色合いや透明感を再現できるのが最大の特徴で、また表面がなめらかで汚れがつきにくいため、虫歯や歯周病のリスクも抑えられるという利点もあります。

見た目の美しさ、身体へのやさしさ、そして高い耐久性。

そのすべてを兼ね備えた『セラミック』は、現在の歯科治療の中心的な素材です。

 

★歴史とともに進化してきた『白い歯』
 歯科におけるセラミックの歴史は古く、1838年にはすでに人工歯として使用が始まりました。
しかし当時は硬くて脆く、実用化は限定的でした。

その後1950年代、金属フレームにセラミックを焼きつけた『メタルボンド冠』が登場。

強度と見た目を両立させた画期的な治療法として、現在でも多くの治療で使われています。

しかし、金属が光を遮るため、自然な透明感には限界があるという課題も残っていました。

 

1990年代以降、技術の進化により、セラミックをコンピュータで精密に削り出すことが可能に。

これにより、金属を使わず高い強度と美しさを両立した『オールセラミック冠』が実用的となりました。

素材もさらに進化し硬くきれいなジルコニア・e-maxなど様々な種類が登場しています。

 

★セラミックのメリット・デメリット
メリット
•    自然な白さと透明感で美しい見た目に
•    汚れがつきにくく清潔、虫歯・歯周病予防にも
•    金属アレルギーの心配がない(オールセラミックの場合)
•    高精度な技工仕上げでぴったりフィットする
•    適切に使えば長期間使える高い耐久性

 

デメリット

•保険適用外のため費用が高め
•メタルボンドやe-maxは強い衝撃が加わると、欠けることがある
•高度な技術と精密な製作が必要なため、歯科医院選びが重要

 

★歯は何度も治療できません。あなたはどの治療を選びますか?
 虫歯や銀歯の下に虫歯ができてしまったとき、治療には『保険治療』と『自費治療』の選択肢があります。

「とりあえず保険で治して、また悪くなったら治療すればいい」と思われるかもしれませんが、歯は削るたびに弱っていきます。

同じ歯を何度も治療すれば神経を取らざるを得なくなることが多く、さらに悪くなると歯を失ってしまうことも。

 

 最近は保険でも奥歯は『白い歯』が選べるようになりましたが、セラミックではなくハイブリッドプラスチックになります。

素材がやわらかく、壊れないように厚みをもたせるため健康な歯を大きく削る必要があります。

ただしこの材質は劣化が早いため、かみ合わせがずれたり二次虫歯ができたり強い力で外れたり、割れたりすることがあります。

 

 当院では、こうしたリスクを減らし、見た目も美しく長持ちする『セラミック治療』をおすすめしています。

初期費用はかかりますが、再治療が少なく済むため、長い目で見れば治療費を抑えられることもあります。

銀歯を1本ずつセラミックに替えることも可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

 

※当院では保険で奥歯の白い歯(CADCAM冠)は上記のようにトラブルが多いため取り扱っていません。前歯に関しては従来通り銀歯のフレームの上にプラスチックを被せた白い歯(前装冠)で治療が可能です。

 

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「親知らずが腫れて痛い…」そんな声を耳にしたことはありませんか?

実は腫れているのは、親知らずそのものではなく、その周囲の歯ぐきなのです。

 親知らずは、一番奥に生えてくる永久歯で、生えてくる時期が親が子どもの成長を見守る時期を過ぎているため、「親が知らない間に生えてくる歯」=「親知らず」と呼ばれるようになったと言われています。

 親知らずは顎の最奥に位置しているため、生えるスペースが足りず、正常に生えないケースも少なくありません。

傾いて生えたり、途中までしか出てこなかったりすると、歯の一部が歯ぐきに覆われた状態となり、歯ブラシが届かず衛生管理が難しくなります。

その結果、汚れがたまりやすくなり、細菌が繁殖して炎症を起こし、歯ぐきが腫れたり、痛みが出たりすることがあります。

この状態を『智歯周囲炎(ちししゅういえん)』と呼びます。


★智歯周囲炎の主な症状

  • 歯ぐきが腫れる
  • 触ると痛みがある
  • 歯ぐきから膿が出る
  • 飲み込むときに喉の奥が痛む
  • 開口障害(口を大きく開けにくい)
  • 顎の下のリンパ節が腫れる
  • ずきずきとした継続的な痛みがある

 これらの症状が出た場合は、悪化する前に歯科の受診をおすすめします。

智歯周囲炎が重症化し、炎症が頬や首にまで広がると、『頬部蜂窩織炎(きょうぶほうかしきえん)』という状態になることがあります。

頬や頬、首が大きく腫れ、飲み込みや呼吸がしにくくなるなど、重篤な症状を引き起こす危険性があります。

 体調不良や免疫力が低下しているとき、疲れやストレスが溜まっているとき、糖尿病などの全身疾患がある方、ステロイド薬などを服用している方も注意が必要です。

★親知らずは抜く必要がある?

 炎症を起こした箇所は、消毒したり抗生物質の服用で一時的に炎症をおさえることはできますが、それだけではまた再発したりさらにひどくなります。

親知らずのまわりは歯みがきがしにくく、どうしても汚れがたまりやすいため、細菌が増えて炎症が起きやすいのです。

この汚れやすい環境を無くすには、親知らずを抜くのが一番の解決方法です。

 

通常親知らずの抜歯はとても難しくリスクも高いので処置に長時間かかったり、抜歯できず大学病院を紹介することが多いです。

しかし当院では抜歯が専門のベテランの口腔外科医が勤務しておりますので、安全に短時間で処置を行い、予後の腫れや痛みも最小限に抑えることができます。

親知らずが少しでもうずいたり違和感があるときは、がまんせずに早めに当院までご相談ください。

 

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「第一印象は口元から」と言われるように、目と歯を繋ぐ『ホワイトトライアングル』は、見た目の清潔感や若々しさに大きな影響を与えるポイントです。

特にマスクを外す機会が増えてきた今、白く整った歯は笑顔の印象をぐっとアップさせてくれます。

 

「ホワイトニングって削るの?」「薬は強くない?」と不安な方もご安心を。

ホワイトニングの薬剤はもともと歯肉炎の治療薬の研究から発見されたもので安心が確認されており、30年以上の使用実績があります。
歯を削らず、安全性が確認された薬剤で行う処置ですのでご安心ください。

 

★どうして白くなるの?

 

① 色素の分解(ブリーチング効果)
ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素(または過酸化尿素)が、歯の表面から内部の黄色味をおびた象牙質に浸透し、色素と化学反応を起こします。

これにより、黄ばみやくすみの原因となっている色素が分解され、歯本来の透明感ある白さが引き出されます。

 

② 光の反射を整える効果
ホワイトニングにより、歯の表面構造が微細に変化し、光の乱反射が起きやすくなることで、見た目にさらに白く明るく感じられるようになります。

いわば、光のマジックで「ツヤ感・透明感」がアップするイメージです。

 

★どのくらい白くなるの?

 

個人差はありますが、歯の色見本(シェードガイド)で5段階前後白くなるのが一般的です。
理想の白さやライフスタイルに合わせて、歯科医と相談しながら進めましょう。

真っ白を目指しすぎると維持が難しくなることもあるため、「自然で清潔感のある白さ」がおすすめです。

 

★白さはどのくらいもつの?

 

ホワイトニングは永久的なものではありません。

飲食や喫煙などの影響で、時間とともに少しずつ再着色が起こり、10カ月程度で戻ります。

髪のカラーリングと同じで定期的なメンテナンスが必要です。おすすめは、

・ホワイトニングの継続
・PMTC(プロによる歯の徹底クリーニング)で着色予防
・専用の歯磨き剤でのセルフケア
 です。

なお、今流行のエステやサロンなどでの『セルフホワイトニング』は、手軽で価格も安いため、気になっている方もいらっしゃるかもしれません。

ですが実は、歯を白くする過酸化水素等が含まれないため、“歯の色を白くする”ことはできません。

歯の表面についたステイン(着色汚れ)を落とすことはできるので幾分白くなりますが、「しっかり白くしたい」「自然な透明感を出したい」という方は、ぜひ歯科医院での安心・安全のホワイトニングをご検討ください。

 

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春の陽気に包まれ、汗ばむ日も増えてきました。

のどが渇いたとき、つい手が伸びるのが、冷たいジュースやスポーツドリンク。爽やかで飲みやすい“甘い飲み物”ですが、実はそこに虫歯だけでなく『口腔がん』のリスクまでも潜んでいることが、最近の研究で明らかになっています。

 

★『甘い飲み物』と口腔がんの関係
2024年3月、米国ワシントン大学の研究チームは、砂糖入り清涼飲料水を毎日飲む人は、ほとんど飲まない人と比べて、口腔がんのリスクが約5倍に高まる、という衝撃的な研究結果を発表しました。
この研究は、16万人以上の女性医療従事者を対象に30年間にわたる追跡調査を行ったもの。

その中で、全体の0.08%(約1,250人に1人)が口腔がんと診断されていました。

 

注目すべきは、タバコやアルコールといった他のリスク要因がない人でも、『甘い飲み物の習慣』だけでリスクが上がっていた点です。

健康的な生活を送っているつもりでも、毎日の飲み物選びが将来のがんリスクに影響する可能性があるということです。

 

★そもそも『口腔がん』とは?
口腔がんとは、口の中にできるがんの総称で、舌・歯ぐき・頬の内側・口の底・上あごなど、さまざまな部位に発生します。

特に多いのは『舌がん』です。

 

日本では年間およそ1万人が新たに診断されており、決して珍しい病気ではありません。

『口内炎がなかなか治らない』『口の中にしこりがある』『出血しやすい』などが初期症状として現れることが多いのですが、自覚しにくく、発見が遅れるケースも少なくありません。

進行すると、発音や食事、見た目に大きな影響が残る可能性があり、予防と早期発見がとても重要な病気です。

 

★『スポーツドリンク』にも注意
スポーツドリンクは『健康的な飲み物』というイメージがありますが、実は糖分を多く含む清涼飲料水のひとつ。

先述の研究結果にあるように、毎日飲むことで口腔がんのリスクが高まる可能性があります。

 

さらに、スポーツドリンクの酸性度の高さにも注意が必要です。

歯のエナメル質を溶かしやすく、『酸蝕歯(さんしょくし)』や虫歯の原因になることも。

運動後の水分補給など、必要な場面で適量を摂る分には問題ありませんが、日常的な水分補給には水やお茶を選ぶことをおすすめします。

 

★どうしても甘い飲み物を楽しみたい人は…
普段の飲み物は水やお茶を基本にし、甘い飲み物は『毎日』ではなく『たまの楽しみ』として上手に付き合うのがおすすめです。

お子さんの水筒やおやつの内容にも気を配り、ご家庭全体で見直してみましょう。

歯科医院での『口腔がん検診』や、定期的な健診・口腔ケアを受けることも虫歯や口腔がんの予防につながります。

ちょっとした意識の変化が、健康への第一歩です。

 

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★「乳歯の虫歯は治療しなくても、そのうち抜けるから問題ない?」
答え→ウソ!

 

乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の生え方や歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。

虫歯菌が乳歯の根に感染すると、その下で育っている永久歯が弱くなったり、変色して生えてくることも。

乳歯でも放置せず、適切な治療をしましょう。

 

 

★「人間の歯はダイヤモンドより硬い?」
答え→ウソ!

 

歯の表面を覆うエナメル質は体の中で最も硬い組織ですが、ダイヤモンドほどの硬さはありません。

エナメル質の硬さはモース硬度5程度で、鉄より硬いものの、ダイヤモンド(モース硬度10)には遠く及びません。

歯を削る時は、ダイヤモンドがついた器具で削るんですよ!

 

 

★「ストレスが多い人ほど、歯のエナメル質が薄くなる可能性がある?」
答え→ホント!

 

ストレスが続くと無意識に歯ぎしりや食いしばりをすることが増え、エナメル質がすり減ってしまうことがあります。

また、強いストレスが原因で胃酸の分泌が増え、逆流した胃酸が口の中を酸性にし、歯の表面が溶けやすくなる『酸蝕症(さんしょくしょう)』を引き起こすことも…。

歯ぎしりが気になる人は、就寝時にマウスピースを使うなどの対策をすると安心です。

 

 

★「甘いものが好きで、砂糖の摂取量が多い人は虫歯になりやすい?」
答え→ウソ!

 

虫歯のリスクを高めるのは、砂糖の量よりも『食べる頻度』です。

砂糖を摂取すると、虫歯菌が酸を作り出し、歯の表面が溶けやすくなります。

通常、唾液の働きで酸が中和され、歯は再石灰化によって修復されますが、甘いものをダラダラ食べ続けると口の中が常に酸性になり、再石灰化が間に合わなくなります。

そのため、おやつの時間を決めたり、食後に水を飲む、キシリトールガムを噛むなどの工夫をすると虫歯予防に効果的です。

 

 

★「歯ブラシの毛が硬いほど、しっかり汚れが落ちて歯に良い?」
答え→ウソ!

 

硬すぎる歯ブラシを使うと、歯茎を傷つけたり、エナメル質を削ってしまうことがあります。

適切なケアには『普通』または『やわらかめ』の歯ブラシを使い、ペンを持つように軽く握り、力を入れずに小刻みに動かして磨くことが重要です。

歯ブラシの選び方も歯の健康を守る大切なポイントになります!

 


みなさんはいくつ正解できましたか?歯の健康は、全身の健康にもつながっています!
毎日のケアを大切にして、一生自分の歯でおいしく食べられるようにしましょう!

 

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『歯周病』は、歯を支える歯ぐき(歯肉)や骨(歯槽骨)が壊されていく病気です。

そして、お口の中だけではなく、糖尿病や心疾患など全身の健康に影響を与える恐ろしい疾患です。

その中でも特に深刻なのが、脳梗塞の発症リスクを高めることです。

 

脳梗塞とは、脳の血管が詰まり、血流が途絶えてしまうことで脳細胞が壊死する病気です。

日本では年間約11万人が亡くなっており、死因の第3位となっています。

では、どうして歯周病が脳梗塞を引き起こすのでしょうか?

 

☆歯周病菌が脳梗塞を引き起こす仕組み
歯周病は、歯周病菌が歯茎に炎症を引き起こす病気です。

進行すると歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。

初期症状に痛みがないため、『サイレントディジーズ(Silent Disease:静かなる病気)』とも呼ばれ、自覚しにくいので気づかないうちに進行していきます。

 

悪化すると歯茎が下がり口臭が強くなり、血管が損傷して歯茎から出血します。

そして、食事のたびに歯周病菌などの細菌が出血部位から血液中に入り込むのです。

仮に、歯周ポケットが全ての歯に5mm以上あって出血がある場合、傷の総面積は手のひらサイズほどになります。

その傷の表面が常に、歯周病菌などの口腔内細菌とその毒素や炎症物質にさらされるため、傷口から細菌が血流に入り込み、全身に流れていくのです。

 

そして、次のような順序で病気を引き起こします。

 

(1)    歯茎から血管に侵入↓
歯周病菌が血管内に入り込むと、血管の内壁にダメージを与え、炎症を引き起こします。

 

(2)    血管が硬くなり、詰まりやすくなる↓
炎症が続くと、血管が狭くなり、動脈硬化が進行します。血流が悪くなり、血栓(血の塊)ができやすくなります。

 

(3)    脳の血管が詰まり、脳梗塞を引き起こす↓
できた血栓が脳の血管で詰まると脳細胞への血流が止まり、脳梗塞が発症してしまいます。

 

☆脳梗塞のリスクが高い人は?
次のような人は、特に脳梗塞のリスクが高いため、歯周病予防に力を入れましょう。

 

・高血圧の人 → 血管への負担が大きく、動脈硬化が進みやすい
・糖尿病の人 → 免疫力が低下し、歯周病になりやすい
・喫煙者 → 血管が収縮して血流が悪化し、歯周病が悪化しやすい
・肥満の人 → 生活習慣病が原因で血管が詰まりやすい
・ストレスが多い人 → 免疫力が低下し、炎症が起こりやすい

 

脳梗塞のリスクを下げるために歯周病の予防に力を入れましょう。

歯周病は痛みや自覚症状がほとんどないため定期検診が重要です。

3ヶ月に一度は歯科医院で健診と歯垢・歯石の除去を受けましょう。

歯周病を早期発見・早期治療して口腔環境を整え、いつまでも健康に過ごしましょう。

 

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『歯根膜』をご存じですか?歯根膜は歯と顎の骨をつなぐ大切な組織です。

 

厚さは0.2〜0.3ミリほどと非常に薄いですが、私たちが食べ物の「歯ごたえ」を感じるために欠かせない役割を担っています。

歯根膜はとても敏感で、たとえば髪の毛1本が口の中に入ったことを感じ取ることができるほど細かな感覚をキャッチすることができます。

この感覚のおかげで、私たちは食べ物を噛むときに、その硬さや食感を細かく感じ取ることができるのです。

例えば、サクサクしたパン、シャキシャキとした野菜、ジューシーな肉の食感、コシのあるうどんなど、これらの食べ物の「歯ごたえ」も歯根膜が働くからこそ、楽しむことができているのです。

 

ところが、歯を失うと歯根膜も一緒に失われてしまい食べ物の「歯ごたえ」を感じ取ることが難しくなります。

では、不幸にも歯を失ったときに、少しでも歯ごたえを感じられる治療方法があるのでしょうか?

 

☆歯を失ったとき、歯ごたえを残せる修復方法は?
歯を失ったときの修復方法は、インプラント、入れ歯、ブリッジの3種類があります。

 

1. インプラント:
インプラントとは、歯が抜けた部分の顎骨に埋め込む人工歯根(口腔インプラント)です。

外科手術が必要で歯根膜は元には戻りませんが、インプラントは顎の骨としっかり結びつくため、噛んだときの感覚が自然です。

隣の歯を傷つけないので、両隣の歯の歯根膜と顎の感覚によって自然な歯ごたえを感じることができ、天然の歯とほぼ同じように噛むことができます。

 

2. ブリッジ:
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削り連結した人工歯を被せる方法です。

支台歯の歯根膜で歯ごたえや食感を感じられますが感覚は弱くなります。

ブリッジは保険でもできますが、天然歯のように美しくて色が変わらないセラミックを選ぶこともできます。

ただし、両隣の健康な歯を削るほか、支台になる歯に負担をかけるため歯の寿命が短くなる点に注意が必要です。

 

3. 義歯(入れ歯):
義歯(入れ歯)は取り外しできる修復方法です。

金属床など高性能な入れ歯は、軽くてお口の形にフィットするので、ある程度食べ物の温度や歯ごたえを感じることができます。

保険適用の入れ歯は、費用を抑えたい方に選ばれることが多い治療法ですが、素材がプラスチックで厚みがあるため、食べ物の歯ごたえや微細な食感、温度を感じることができなくなります。

 

☆歯根膜は食べ物の「歯ごたえ」や「噛む力」を感じ取るための大切な器官です

不運にも歯を失ってしまった場合にどの治療方法を選ぶかは患者さんのご希望によりますが、食事の楽しさを取り戻したいと感じているなら『インプラント』、外科処置が不安な方や早く治療を終えたい場合は、『ブリッジ』や『高性能な入れ歯』が良いと思います。

 

当院では丁寧にご希望をお聞きし、ご予算も含めて患者さんに最適な治療方法を見つけるお手伝いを致しております。いつでもご相談ください。

 

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歯磨きをしているときや食事中に、「歯がしみるなぁ…」と感じたことはありませんか?

その原因のひとつとして、『くさび状欠損』が挙げられます。

 

くさび状欠損(WSD: wedge shaped defect)とは摩耗症の一種で、歯の生え際の表面がすり減り、その象牙質が露出し、欠損部が三角形のくさび型に見えるのでこのような名前が付けられています。

30代を過ぎると年齢と共に多くみられるようになる症状で、犬歯や小臼歯の唇側によく発生します。

 

進行すると、次のような場面で歯がしみたり痛んだりすることがあります。
・冷たい飲み物や食べ物を口にしたとき
・歯磨き中に歯ブラシが当たったとき
・息が当たったり、歯医者さんでエアーを当てられりしたとき

 

☆どうしてくさび状欠損が起こるの?
・強すぎるブラッシング
歯磨きの力が強すぎると、歯の根元の表面が少しずつ削れていきます。

研磨剤入りの歯磨き粉を使ってゴシゴシ磨くと、さらに削れやすくなります。

適切な力加減は「歯ブラシの毛先が広がらない程度」。

力任せではなく、「優しく歯の汚れをとるように磨く」ことを心がけましょう。

 

・歯ぎしりや食いしばり
寝ている間に歯ぎしりをしたり、無意識に歯をぐっと食いしばったりすることも、歯に大きな負担をかけるため、くさび状欠損の原因になることがあります。

 

☆放置するとどうなるの?
くさび状欠損をそのままにしておくと、冷たいものがしみる『知覚過敏』や、歯磨き時の痛みの原因になることがあります。

その結果、歯磨きを避けてしまい、歯垢や歯石がたまりやすくなり、虫歯や歯周病が進行する可能性も…。

 

くさび状欠損に対しては、以下のような対応を行います
・コンポジットレジンの充填
削れてしまった部分に歯科用樹脂(コンポジットレジン)を詰め、しみる症状を軽減します。

 

・正しいブラッシング方法の指導
原因が強すぎるブラッシングの場合、適切な歯磨きの仕方をお伝えします。

歯ブラシの選び方や力加減、動かし方を工夫することで、くさび状欠損の進行を防ぐことができます。

 

・歯ぎしりや食いしばりへの対応
歯ぎしりが原因の場合は、専用のマウスピース(ナイトガード)を制作します。
寝るときに装着することで、歯にかかる負担を軽減し、欠損が悪化するのを防ぎます。

 

くさび状欠損は自然に治ることはありません。歯のトラブルは早めの対処が大切です。
歯がしみたり削れているなど気になる症状があれば、ぜひお気軽にご相談ください!

 

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★虫歯の原因菌

 

歯を磨いているのに、どうして虫歯ができてしまうのでしょうか?

人によっては虫歯が一本もないという人もいます。

その差は、お口の中に虫歯菌がいるかいないかの違いによります。
人間の口の中には数百種類の菌がいると言われています。

この菌の中で、むし歯を作る原因菌として最も病原性が高いものが『ストレプト・コッカス・ミュータンス菌』という菌です。

 

ミュータンス菌は甘いものが大好きで、食べ物に含まれる糖を食べて歯の表面にプラーク(歯垢)という白っぽいねばねばした物を出します。

プラークには沢山の菌が住み付いたマンションのようなもの。なんと1mg中に1億個ほどまでに増殖するのです。
そして、このプラークが形成されてから24~48時間で、ミュータンス菌などのむし歯菌が、食べ物に含まれる糖質によって酸を作り出します。

この酸が歯の表面のエナメル質を溶かしてしまい、むし歯ができるのです。

 

★どのように進行するの?


むし歯は感染症ですので、放置しているとどんどん進行していきます。

むし歯の進行度はCo~C4などという言葉で表します。

C1まではほとんど自覚症状はありません。早いうちに見つけて治療することが大切です。

 

Co:エナメル質が変色しているが、穴はあいていない状態。-------経過観察
C1:むし歯が表面のエナメル質まで。(無症状か、少ししみる程度)-------経過観察、虫歯治療
C2:象牙質まですすんだもの。(無症状か、歯がしみる)-------虫歯を取って詰める処置が必要
C3:歯髄(歯の神経)まで及んだもの。(ズキズキと痛む)-------神経を取って被せる処置が必要
C4:歯がほとんど無いもの。(神経が死んで痛みが無いか、腫れて激痛)-------抜歯
※C2でも深い場合は神経を取ったり、C3でも抜歯になる場合があります

 

★むし歯にならない為にはどうすればいい??

 

むし歯ができるにはこの様な式が考えられます。このどれか一つでもなければ、むし歯にはならないということです。

①歯 + ②糖質 + ③むし歯菌 + ④時間 = むし歯の発生!

むし歯予防にとって最も大切なのは、適正な方法のハミガキをして、むし歯の原因になるプラークを取り除くことです。

しかし、自分での歯磨きは、どんなに丁寧に磨いても30%程度の歯垢は残ってしまうと言われています。

 

また、歯石になると自分では取り除くことができません。
歯石は3ヶ月ぐらいでできるので、3ヶ月ごとの検診をおすすめしています。定期的に歯科医院に行き、歯科衛生士さんに専用の器具を使って、歯垢と歯石を除去してもらいましょう!

 

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 マイナス1歳からというのは、生まれる前、つまり赤ちゃんがおなかにいるときからの虫歯予防です。

お母さんの歯の健康状態は赤ちゃんと無関係のように思われがちですが、様々な研究により両者にはとても深い関係があることがわかっています。

ぜひ、お子さんが生まれる前から、お母さんが虫歯予防に取り組んでください。

 

★虫歯菌はどこから子供に感染する?

生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には虫歯菌はいません。

周りの大人から感染するのです。

特に赤ちゃんの近くにいるお母さんから感染することが多いと言われています。

 

虫歯菌は、生後6か月くらいから歯が生え始めたら歯に付着します。

通常、生後19〜31ヶ月の間で、生後19ヶ月で25%、31ヶ月では75%の割合で、赤ちゃんのお口にむし歯菌が定着するのです。

このため、この時期を『感染の窓』と呼びます。

 

子どもの口腔内を菌から守るためには、一緒に生活している親御さんの口腔内に持っている細菌量が少なければ少ないほど、赤ちゃんへの感染リスクを少なくすることができるのです。

 

★妊娠中は虫歯や歯周病になりやすい
つわりの時期はニオイや刺激に敏感になります。

歯磨き粉の香りで気持ち悪くなって、お口の中に歯ブラシを入れるのも大変になってしまう方がいます。

さらに、妊娠中は、女性ホルモンの分泌が活発になります。

中でもエストロゲンというホルモンが歯周病菌の増殖を促すのですが、これが月経時のおよそ30倍にも跳ね上がるといわれているのです。

さらに、歯周病の原因菌には、女性ホルモンを好物とする細菌がいます。

そのため、妊娠中は妊娠前よりも虫歯や歯周病になりやすくなるのです。

また、妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産のリスクが高くなることが指摘されています。

 

★なにをすればよい?
歯科衛生士から指導を受けて、日頃から正しい歯磨き習慣を身に着けましょう。
・歯科医院で定期健診を受け、普段の歯ブラシでは落とせない歯垢と歯石を取り除いて、虫歯リスクを下げておきましょう。
虫歯がある方は、早めに治療をしておきましょう。
キシリトールのガムやタブレットを摂取して、虫歯リスクを下げましょう。

お母さんだけでなく、お父さんや身近にいるご家族もみんなで、虫歯治療や歯周病治療を行うことで感染リスクを減らす事ができます。

 

歯科医院での定期健診や適切な治療で、周りの大人たちの細菌レベルを下げて、大切なお子さんの歯を、虫歯のない健康な歯に育てていきましょう!

 

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