函館市文学館主催、「谷村志穂 自著を読む」の7回目が8月14日(土曜日)に開催されました。

 

 

 

 今年は朗読会も講演会もすべて中止になってきましたが、文学館では幾度も話し合いを重ねてくれて、場所は文学館から公民館のステージに変え、衝立やフェイスシールドを用い、お客様も50人限定の形で開催されました。

 

 読んだのは、函館を舞台に書いた長編小説の第三章です。手紙のやり取りで続く場面を、いつも通り配役を決めて皆で朗読していきました。

 この小説を書いた時、度重なる大火や洞爺丸台風など幾つもの災難をくぐり抜けてきたこの街に今も漂う記憶、そして、だからこそ、からっとと生きる人の強さを描こうと自分に幾度も言い聞かせたのをよく覚えています。

 

 公民館には、そんな街の人々をずっと見続けてきたような歴史あるスタインウエイ グランドピアノがあります。

全国でリサイタルもなさるピアニストの伊藤亜希子さんが、伴奏を引き受けてくださり、朗読の途中に伊藤さんのピアノが響き出す何とも贅沢な場面もありました。

 

 

 

 

 私の右のドレスの女性が伊藤さん。芸術家の優しさがずっとそばにありました。

 また今回はもう一人、娘の宍倉秋穂がこのスタインウエイを登場人物の一人として弾きました。小学生の頃からずっと朗読会を手伝ってくれていて、街の皆さんに覚えていただいています。

 

 

 

 打ち上げを兼ねてのパーティは、こちらも歴史ある五島軒の大広間で。創立140周年、私は祖母、母とお世話になり、今回娘で四代目の客となりました。

 

 

 東京から駆けつけてくれた、書評家でラジオのパーソナリティも務める相原透さん。

 ありがとう。久しぶりに会えましたね。

 

 皆で十分に気をつけて集った時間には、やはり臨場感がありました。主催の文学館の皆さま、来てくれた方々、そして今年も一緒に朗読をしてくれた大切な仲間の皆様、また新しい作品を書きたいと思います。