私の名前には、穂という字がついています。
10月の末生まれ。故郷の北海道では稲穂の実る季節です。
娘も11月初旬の秋晴れの日に生まれ、夫と二人で秋穂という名前をつけました。
同じ「穂」の字をつけてもらいました。
「お名前は?」
「しほです。志すに、稲穂の穂です」
と、生涯で何度答えたでしょうか。
「落穂拾いの穂です」とか、「禾へんに恵むです」とか、まあなんでもよいのですが。
娘は3歳の頃にはこの問いかけの意味がわからずに、
「ほたてのほ!」と、元気に答えていました。しりとり遊びをしているつもりだったのでしょう。
秋帆ちゃん。これも素敵な名前だったね。
「週刊文春」の今号11月9日発行号では、
私が、稲穂の美しい季節に、北海道の北竜町を訪ねた記事が紹介されました。
北竜町は、空知地方にあり、ひまわりの里としても知られますが、実はここのお米作りが今年、日本農業賞を受賞したそうです。
昔、北海道のお米は大変不評で、なんと、
「厄介どう米」と呼ばれたこともあったという悩みを、地元の生産者の方々が話してくれました。
それで1986年、青年部の人たちが一丸となって、地域一帯を低農薬米の産地としようと取り組みを決め、研究や地域の説得を始めます。
「食べ物は命」という標語を掲げ、米袋に番号を記し、それを調べると誰がどのくらいの農薬を使って作ったお米なのかがすべてわかる、トレーサビリティを徹底しました。この米作りが、評価されたのですね。
お米袋はかなりインパクトのある派手さですが、おいしい新米です。あの広い空の下で作られたお米なんだなと思うと感慨もひとしおです。
これは、畑を見つめていた皆さんの写真。私が後ろから盗撮しました。
遠くに防風林も見えて、好きな景色です。
皆さんが、いきいきと、お米を作ってらした。
これからも、おいしいお米作りをよろしくお願いします。