大崎麻子さんと、堺で知り合って二年以上になります。
互いの家を訪ねたり、同じ句会に参加しているうちに、娘たちがほぼ同じ年齢だとわかり、この頃は娘たち同士も親しくさせてもらっています。
週末、港区のリーブラで行われた「ガールズのための未来ワークショップ」の講師は、麻子さん。
互いの娘たちがこれに参加して、終了後は私も合流して一緒に『ドリーム』を観ました。
ワークショップでは、女子なんだから、という理由で日頃、大人たちから言われること、がたぶん訊かれたようです。
「(せっかく)女の子なんだから、もっと可愛いスカートとか履いたら、と母が言っていました」と、娘は堂々と言ったそうです。
赤面。
言ったかな、私。
言ったんだろうな、無意識に。
だめか。
また、『アナと雪の女王』で、「ありのままで〜」と、訳されている映画の歌詞も、本当は違うのである、と、麻子さんが訳してくれた講義もあったはず。
娘曰く。
「意識が高まった一日」
感謝です。
それで食事をして四人で観た映画は、『ドリーム』でした。
素晴らしかったな。
NASAの宇宙への飛行に関わった、実在の黒人女性たち。主人公のキャサリンは、天才数学者です。
女性に対しても非白人に対しても、差別や偏見が渦巻いていた時代に、忍耐強く才能を発揮していくキャサリンやその仲間たち、また才能を見抜く人たちの才能、または瞬発力にも似た感性もシャープに描かれていました。しかも、用いられている音楽は、ゴスペル、R&B、見事にエンターテイメントになっていました。
映画も、もともとのタイトルは違うですね。
しかし、確かにドリームをつかんでいく人たちのストーリーでもありました。
帰宅して思わず手に取ったのはジーン・サーナン著の『月面に立った男』。
この映画で描かれた有人飛行の時代の後は、米ソの月面着陸競争へと突入していきます。
映画の宇宙飛行士、あの役者は誰? と、娘たちはすぐにググっていましたが、
母はあの場で自分の本棚を思い出していました。
宇宙飛行士は孤独、実はあの宇宙服の中は灼熱で、いつも生死の瀬戸際にある。
多くの飛行士たちが、全米のヒーローでありながら、当時は家庭を崩壊させていたそうです。
この本の帯には、ジョージ・ブッシュ氏が賞賛を送っていますが、『ドリーム』の主人公のキャサリンには、オバマ氏が彼女の功績を称えたのだと麻子さんに聞きました。
麻子さんと、十五歳の娘たちと触れた力強い「ドリーム」でした。