郷里の北海道新聞で、不定期ですが書評の担当をしています。

 

 本は自分で選んで働きかけることもあるし、書評担当のデスクより送られてきて、打診を受けることもあります。

 

 先日執筆したのは、デスクに紹介された一冊のノンフィクションでした。IMG_20170418_114037325.jpg

 

 付箋だらけになっていますね。書評する場合は、私は心に留まったところに、こうして付箋をつけていきます。

 

 たまたま春より連載が始まった『セバット・ソング』という長編小説では、かつて感化院、教護院と呼ばれた場所を舞台にしています。親元や学校から一旦引き離されて、寮長寮母のもとで過ごす子どもたちが登場します。

 

 書評した本ではその逆ともいえる、家の中に長期間ひきこもった人たちが描かれています。彼らに対する、筆者の石川清さんの、極めて気の長い一人一人への取り組みが書かれています。思いきって、彼らを連れてアジアの旅に出る石川清さんは「イシさん」と呼ばれているそうです。

 

 ひきこもることに限らず、人と人が織りなす心模様を、「イシさん」はただ寄り添うことを通じて伝えてくる、そう感じさせます。

 

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 ちなみに、道民は「どうしん」と呼ぶこの新聞の書評コーナーでは、ほら、

たくさんの野生動物たちがこちらを見つめてきます。

 あべ弘士さんが、挿画を担当する人気コーナーなのですね。

 

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 動物たちに負けない魅力的な人間たちの世界が、そこにも広がっていますように。