こどもが生まれてまだ、ミルクを飲んでいたころのこと。
嫁さんに昔の男友達から電話がかかってきてずっと
二人が話をしていた。

やがて、長電話になり赤ちゃんがぐずつきだした。
私がよしよし、という感じであやしてもだめだった。

そして、30分たったころ、ついにワンワン泣き出した。
「もう、そろそろ電話切ってよ。こどもが泣いてるんだ」、と
いってもいっこうに切ろうとしない。
まだ、話そうとしている。

私はついに堪忍袋の緒が切れた。
「もう、切れよ、いい加減」

受話器をとってついにがちゃんと切ってやった。
「何をすんの、あんた」

「いい加減にしろよ。子供が泣いてるじゃないか
こどもと電話とどっちが大事ナン。」

すると嫁さんはぷいというかんじでまた、外に飛び出し
出て行ってしまった。

さて、困ったことにミルクを飲まそうとしたが
お湯を沸かすまで時間がかかる。
そこでわたしは考えた挙句、赤ちゃんにわたしの
男の乳首を吸わせてみた。
もちろん、おっぱいは出るわけもなくまた、ワンワン
声を上げて泣き出す。

もう、助けてくれーーー
と思ったそのあと、嫁さんが帰ってきて無事めでたしめでたし。

なつかしいやら、苦いおもいでである。