石油輸出国機構(OPEC)は8日公表した年次世界石油見通しで、2030年の世界の原油需要が日量1億560万バレルにとどまるとし、前年の予想1億1330万バレルを下方修正した。従来予想以上に現在の世界的な景気低迷が尾を引き、長期的な需要にも影響を与えると判断した。08年の需要実績との比較では23.3%増となる。
 経済協力開発機構(OECD)加盟先進国の需要は05年にピークに達したとみられているが、今後は消費抑制、代替エネルギー開発の取り組みがさらに進み、30年の需要は08年比で8.6%減まで低下。一方で中国がほぼ倍増、インドを含む南アジアが約2.3倍となるなど、急速な経済成長を背景に、30年までの需要増加分のうち79%はアジアの開発途上国が占めると予想されている。
 同時に発表された08年の統計によると、同年7月に原油相場が一時1バレル=147ドル台の最高値まで達した恩恵で、OPEC加盟13カ国の石油・天然ガス輸出額は1兆68億5000万ドル(現行レートで約95兆円)に達し、過去最高を記録した。