週末17日午前の米株式市場は、大手金融機関の決算の消化が進む中、景気に対する見方が分かれ、まちまちに推移している。午前10時半現在は、優良株で構成するダウ工業株30種平均が前日終値比13.75ドル高の8725.57ドル、ハイテク株中心のナスダック総合指数が3.50ポイント安の1881.53。
 この日最大の注目材料となったのは、米銀大手シティグループとバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)の4~6月期決算。シティは大幅赤字計上の事前予想にもかかわらず黒字化を達成、またバンカメもメリルリンチとの合併費用などがかさんだものの、収益力を表す1株当たりの利益が市場予想を上回った。ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースに続き、好業績を収めたことで市場には安堵(あんど)感が漂ったが、一方で不況に伴う不良資産の新規発生などで資産劣化に歯止めが掛かっていない実態も明らかとなったことから、投資家はなお慎重姿勢を崩していない。
 このほか、朝方発表された住宅指標は堅調な内容だった。6月の住宅着工件数が前月比3.6%増、先行指標となる着工許可件数が8.7%増と、そろって2カ月連続のプラスを記録。特に全体の約8割を占める一戸建て住宅の2ケタ台の伸びが好感された。ただ、このところの急激な株高進行を受け、高値警戒感も浮上。週初から本格化した企業決算の好調を背景に、ダウ平均は一貫して前日比プラス圏で取引を終え、過去4日間で約7%上伸している。