14日の東南アジア株式市場は軒並み上昇した。シンガポール市場は、第2四半期国内総生産(GDP)の発表が好材料となり、1週間ぶり安値から反発した。
 この日は米国株の急反発が支援材料となっものの、依然として世界経済の回復ペースに対する懸念が残るため、アジア株の上値も抑えられている。
 シンガポール市場のストレーツ・タイムズ指数(STI)は1.9%高。銀行株の反発により、前日の下落分(1.8%安)を回復。製薬業や建設業の業績改善を理由に、国内景気の最悪期を脱したとして、政府が経済見通しを上方修正したことが買い材料となった。
 銀行最大手DBSグループや華僑銀行(OCBC)の上昇率は2%以上となった。
 金融株上昇により、マレーシアのクアラルンプール総合指数(KLCI)も1.5%高となり。、7月2日以来の高値となった。
 バンコク市場のSET指数も、2.7%高と急伸。バンコク銀行が3.1%高、サイアム・コマーシャル銀行が6.2%高と急騰。今月下旬に好業績発表が見込まれるサイアム・セメントは、2週間ぶり高値を付け、5.3%高で引けた。
 インドネシアのジャカルタ総合株価指数は、銀行株やエネルギー株が主導し、1.8%高。ラクヤット・インドネシア銀行が4.6%高、石炭大手のPTアダロが5.5%高となった
週末10日のニューヨーク株式相場は、来週以降本格化する4~6月期の米企業決算発表に対する警戒感や景況感の悪化を眺めて売られ、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比36.65ドル安の8146.52ドルと3日ぶりに反落した。終値ベースでは約2カ月半ぶりの安値。
 一方、ハイテク株中心のナスダック総合指数は同3.48ポイント高の1756.03で引け、小幅ながら3日続伸となった。
 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比8398万株減の9億2211万株。
 前週末発表された6月の米雇用統計で失業率が上昇し、米景気の先行き懸念がくすぶる中、エネルギー大手シェブロンが前日、4~6月期収益が当初予想より悪化するとの見通しを公表。このため、企業収益に対する警戒感が急速に強まった。
 さらに、米ミシガン大学が集計した7月の消費者景況感指数(暫定値)が前月確報値の70.8から64.6に低下。売り圧力が次第に強まり、ダウは一時、同90ドル近くまで下落した。
 ただ、「弱気相場になりつつあるが、具体的な決算数字を見るまでは大きくは動けない」(中堅証券)というのが市場関係者の本音だ。このため、引けに掛けては下げ幅を圧縮した。
 個別銘柄では、シェブロンが2%を超える下げ。つられてエクソンモービル、コノコフィリップスも売られた。一部金融機関から投資判断を引き下げられたIBMも下落。一方、アメリカン・エキスプレスやアルコア、3Mなどは上伸。
6月の新規貸出増加額は1兆5304億元と市場コンセンサスである1兆2000億元を超える伸びとなった。過剰流動性を懸念して、金融当局が一旦を行うのではないかといった不安から前場は軟調な展開。人民銀行による短期金融市場での資金吸収、銀行の株式市場での資金運用を抑制するといった当局の方針も発表されている。しかし、機関投資家を中心とした弱気筋の売りを個人による強い買いが圧倒、小型株を中心に値を戻すと、早くも大型株にも押し目買いが入り始めた。指数は上昇に転じ、終値ベースでは高値までわずか7ポイントに迫る水準にまで回復した。

 上海総合指数の終値は3123.04ポイント、1.37%高。売買代金は1843億元。昨日と比べ約100億元増加した。上海B株指数は、198.50ポイント、0.97%高。深センB株指数は、510.67ポイント、1.34%高となった。

 8日、WTI原油先物価格が6日続落、1バレル60.14となり、5月26日以来、約5週間ぶりの安値を更新した。これを受け、航空セクター、石油化学セクターなどが買われた。昨日、東方航空の劉董事長が上海航空との合併について、来週にも公告を発表すると発言、航空業界再編期待が高まった。中国国航(601111)は5.40%高、南方航空(600029)は3.16%高、海南航空(600221)は4.39%高となった。石油化学セクターでは、中国石油化工(600028)は3.53%高、上海石油化工(600688)は2.84%高となった。

 自動車セクターが高い。本日、今年6月の国産自動車販売台数が前年同月比36.48%増加したと中国汽車工業協会が発表、上海汽車(600104)は8.63%高、長安汽車(000625)は7.10%高、江鈴汽車(000550)は5.95%高となった。

 酒造業セクターが引き続き買われた。貴州芽台(600519)は1本あたりの酒の価格を80元前後、五粮液(000858)は50元前後引き上げる計画を既に発表するなど、各社相次いで値上げを表明している。古井貢酒(000596)はストップ高、張裕(000869)は2.53%高、貴州芽台(600519)は2.29%高となった。
 
 一方、不動産セクターが軟調。2件目住宅に対するローンに融資規制観測、利益確定売り押された。上実発展(600748)は2.96%安、金融街は1.74%安となった。

 上海B株では、ST済南バイク(900946)は4.59%高、大衆交通(900903)は3.76%高。一方、下落したのは、錦江酒店(900934)、恒天凱馬(900953)、九龍山(900955)の3銘柄のみ。

 深センB株では、赤湾石油基地(200053)は、本日、09年6月中間決算で前年同期比100-150%増益を予告したことからストップ高、山東航空(200152)は7.45%高。一方、万科企業(200002)は1.64%安となった。