【相続のご相談】

4年前からいろいろとお仕事をさせて頂いているN様。70歳
今朝の9時から相談したいことがあるので、
来店したいとのこと。

奥様とは宗教の問題で、別居。
子どもさんはおられず。一人暮らし。
仕事を今年の8月末で退職し、今後は老前整理に時間を
かけたいとのこと。
喪主は奥様でもないし、頼む人はいない。

ご相談内容は、「相続で、両親の葬儀に出なかった兄(86)に、
一銭も渡したくない」とのこと。

次男として、跡継ぎをされているN様の強い要望で、
親族に弁護士がおられるが、
石材店に相談にお越しになりました。

遺言書を弁護士と書いていただくことを、お勧めしても、
何度も、うちにご相談に来ていただくので、
私も、未熟ながら、法律の知識についていろいろと
調べながら、お悩みにお答えしています。

--------------------------------------------------------------
遺言書で、たとえ、N様が、財産全額を寄付するといっても、
お兄さんには、〝遺留分減殺請求〟という権利があります。

少しややこしい話になりますが、被相続人が遺留分を侵害する遺言(遺産全額を福祉事業に寄付するなど)を残したとしても、その遺言が当然に無効となるわけではありません。

遺留分を侵害された相続人が、遺留分減殺請求を行使することによって、遺留分を侵害する遺言書の内容の効力を失効させ、その範囲内での財産を返せと要求することができるに過ぎないということです。
---------------------------------------------------------------

つまり、どんなに遺言書を書いて、
「一銭も渡さない」と書いていても、
現実には、難しいということなのです・・・。

夫婦仲、兄弟仲も疎遠なN様には、
明確に、生前準備の意志がありますので、
少しでも、お役に立てますよう、
これからも、ご相談させていただく予定です。

財産はないといっても、
土地と、家と、田んぼがあるだけで、
その残された財産の分割について、問題が起きかねません。

エンディングノートだけでは、書ききれない部分
それが、財産の部分。
それは、やはり公正証書遺言を作成いただくのが、
ベストだとご提案しています。

また、相談しにきます、といって、
謝礼を渡されたのですが、
私は、弁護士ではありませんし、
相談料は受け取れません、といって、お返ししました。

このように頼って頂けるお客様に、
少しでもお力になれるよう、自分自身ももっと知識と経験を
深めなければならないと痛感いたします。

谷石材店 藤原