残された時間 | ALS患者 タンゴレオの挑戦 ー安楽死を認めて!-

ALS患者 タンゴレオの挑戦 ー安楽死を認めて!-

死を待つだけ、苦しみだけの毎日から解放されるべく、人権を求める戦い

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このブログを通して出会ったある患者さんへの返事をここでさせてください。

私がALSの宣告を受けたのは病院の会議室だった。
一緒に聞いて欲しいと思った友人にも付き添いを頼んだのだが、結局会議室に入ることを許されたのは肉親だけだった。(これもおかしな話だ。)

3人の医師を目の前にして、病名とどんな病気なのかは既に知っていたので聞き流していたが、「5年から7年」という医師の声は今でもはっきり覚えている。

最後に質問は?と聞かれて、咄嗟に心に浮かんだのが

「これからの時間、進行を抑えるためにできるだけ無理をしないように過ごすのが良いのか、それとも身体に負担がかかっても仕事なり、何かをした方が良いのか?」
という疑問だった。


医師は迷わずこう答えた。
「出来ることを出来るうちにしておいた方が良い。」  と。

その答えを聞いた途端、今まで淡々と聞いていた私は号泣してしまった。
自分のこれまでの人生がどんどん奪われていくという事実が現実となって襲いかかってきたからだ。

それから車椅子でハワイ旅行をしたり、ドライブ、海水浴、温泉、、、色々思い出をつくった。
残念ながら今までの仕事は続けることはできなかったけど。

あの医師の答えはあくまで個人的な意見だったろうけど、聞けて良かったと思う。


だから病の恐怖に怯えながらも、心の別の部分で今出来ることを考えて欲しい、私みたいな身体になる前に。

まだ出来ることがいっぱいあるはず。

まだしたいことがいっぱいあるはず。

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