秀品率! | ピアソラの蜜柑

ピアソラの蜜柑

オレンジの街での生活

猛烈な毎日を送っています。

例えばある一日のブランコ夫妻の動き。
(ひでこちゃんが前夜から泊りがけで来ている日の例)

朝4時起床。
朝5時出発。
5時半から収穫開始。

30メートルの×40列。
3500本の枝のすべてをチェックし適時なものを収穫し、傘から外れているものは傘をかけなおす。
雨天続きのため、疫病が発生しているので枝切りしなくていけないものは
マーキングテープでマークし、病気発生した実は別の袋に収容。

すべてが終わるのが朝9時半。
終わってからエスレル処理(気温が下がってからの熟成を促すホルモン剤)を各5列ずつ散布。

終了10時。

軽トラを全速力ですっ飛ばしてコンビニに寄って帰宅。

そこから約20箱から30箱のいちじくのずっしりと詰まったパレットをエアコンの効いた部屋に移動し、
シャワーをさっと浴びて簡単にコンビニのチキンやおにぎりを片手にしながらそのまま選別開始。

(ちなみに25箱~あるときはお昼ご飯を食べる余裕はなし。)

3時にはパック詰めを終わらせ、ランク分けしながら箱詰め&シール入れ。
イーオンの完熟いちじく出荷準備と同時進行。

ぎりぎり4時に終了し、汗くさい体にさっとシャワーを浴び、
箱詰めされたいちじく達を軽トラに再び積み、4時半夫、出荷場へ出発。

夜から雨が降るときは、雨で適期のいちじくがすべて出荷不能になる前に
私は夫が出荷に行っている間にもう一度園へ車をすっ飛ばして戻り、収穫開始。

日が暮れて色が見えなくなったら車のヘッドライトつけて根性で収穫。

その後スーパーで買い物して帰宅。



ちなみに↑はひでこちゃんが来てくれている日の楽な例。
(その間、家事とキッズの送迎や世話をすべて完璧にこなしてくれる)



ひでこちゃんがいない日は朝の4時起きは一緒だけど朝の収穫は夫一人

私はそこから7時にジャイ子さんを起こすまでの間に
掃除洗濯キッズの準備等の家事を終わらす。

7時にキッズを起こして8時~9時の間にそれぞれの場所へ送り込み、
夫がひとり収穫で間に合わないときはたっくんを送って行ったその足で園へ行き、
乗用車に乗り切るだけのいちじくを積んで家にすっ飛んで帰り、とにかく選別開始。

夫が帰ってきたらひとりで朝5時半から酷使している夫を休ませて選別続行し、
その間消毒なんかがある日は夫は園へまた戻り仕事。
(収穫量の多いときは夫、休む間もなく一緒に選別開始)

ひでこちゃんがいない日は3時のたっくんのお迎えまでに選別等を終わらせたいので
お昼ごはんはほとんど片手で食べながら。もしくは昼抜き。てかほとんど昼抜き。

3時にたっくんお迎え。帰ってきて間に合っていないことを全速力で終わらせる。
4時半、夫か私が出荷に出発。
火、水は私がお絵描き教室。
水、木はジャイちゃんが7時から8時半までバスケがあるので送迎。
月、水はジャイちゃんのお習字で4時にお迎え。

出荷に行ったほうが帰りがけにスーパーに寄ってなんとか翌日の家族の食料をゲット。
夕食を作り、ジャイちゃんの宿題を見て、お風呂に入れて、食器洗ってやっと一瞬ソファに座る。

下手すると朝4時に起床して朝5時に出発以来、座ったのが16時間後とか当たり前。
てか軽トラに乗っているときが唯一の休息時間。(わたしら、アイドルかっ?)



それがもう8月9日の出荷以来続いています。



ぶっちゃけ先週あたり疲労のピークがきてました。

猛暑だった夏の疲れ、残暑の疲れと出荷が始まったばかりのハードな毎日に
体がついていけなくて2週間ほど結構つらかったけど、
気温が下がってきて体がlこのハードさに慣れてきて大分がんばれるようになれました。

今年我が園は2年目という勢いのある樹の若さとたゆまぬ努力のおかげか
今のところ非常に好成績を叩き出しています。

秀品率(Aランク以上の品)がすごくよく、大きさ、色艶が抜群で
先日の市場とバイヤーが検品をチェックする検査でもウチのものが選ばれて(秀品率が高い為)
高評価をもらいました♪

ただそれ以外ではこの雨天続きでウチも含めてみんな苦労しています。

日本一のいちじくの生産地である西三河(愛知県西部)の集荷率が例年の80%しかなく
知多は90%。西三河の穴を必死で知多で埋めても足らなくて
値段は未だかつてない天井です。

その天井の値段が更に倍以上になって秀品はすべて東京へ行くのですが、
(なので今年は愛知県のスーパーではいちじくは品薄であってもせいぜいB品)
それでもまるで足らなくて、先日の市場ではたった1200パックのいちじくを
20社の東京からやってきたバイヤーに分けなければらなず
市場からはとにかく出せるだけ出してほしいとのこと。

こっちだって必死です。

雨から守るために自分はずぶ濡れでもいちじく様に雨が当たったらいけないと
びしょびしょになりながら傘かけなおして、
どんなに疲れてても雨が降り出すと、
1個でも2個でも雨でパーになる前に守りたいといてもたってもいられず。

よく台風の時にじーさんが大雨の中「畑の様子を見てくる!」とか言って
川に落ちて死んじゃったりするけど今ならその気持ちホントよく分かる。

何も出来ないって分かっててもいてもたってもいられない。

もう今では天気予報を見て雨が降りそうな時不安を抱えてながら寝ると必ず
疫病で園が丸裸になった悪夢や雨で全出荷不能になった悪夢を見ます。

どうやら夫も同じらしい。

集荷で私がジーちゃんたちに雨続きの不安をぶちまけて
ジーちゃんたちもあーだこーだ話すも最終的には



「まーお空の機嫌のことだで
あたふたしてもしゃーないわー。
みーんな一緒だでどーんとかまえてりゃー。」



そーだよね。どーんと構えよう。

でもさー。




お願いだから晴れて!








ミズエ