4時半に病院に着く頃には
「さすがにこれは陣痛じゃないか?」と認めざるを得ない痛みが始まっていましたが
まだまだ全然余裕でイケる感じです。
早速、胎児の心拍数のモニタリングをします。
30分ほどして顔なじみの看護婦さんが
「ミズエ、調子はどう?」と入ってきて「どれどれ?」とモニタリングのグラフを見ると、
看・「あら!まあ!ちょっと、ちょっと!もう陣痛2分間隔よ!すぐにドクターを呼んでくるわね!」
ア・「てことは生まれるってことですか?」
看・「あはは、もちろんよ!今日の午後、遅くても夜までには生まれてるわよ♪」
ア・ミ・「うっそ・・・!?」
院長先生が「おやおや」と、笑顔で入ってきて内診をします。
院・「子宮口も3センチ開いてきてるね。それじゃー入院の手続きして生もっか。それじゃまた後で!」
そんなこんなで5時半に入院。
病室はもちろん個室でホテルの一室のようです。
ミ・「わー!ホテルみたい!ベッドふかふか~♪」
陣痛の合間を縫ってはしゃぐ私。
ア・「なんでダブルベッドじゃないんだ!」
緊張で顔を引きつらせながらも異常なハイテンションのアルバロ男爵。
「最後のふたりきりの写真」とか言ってパチパチと色々なポーズで私達は写真を撮りまくります。
看護婦さんに様々な指示を受け、いざ出陣です。
看・「ミズエ、出発よ!次、この部屋に帰ってくるときはもう3人になっているのよ。」
看護婦さんのこのセリフでやっと
「あー、これは悪い冗談なんかじゃない。私今からホントに人ひとり生むんだー!」
と我に返ったことをよく覚えています。
6時に陣痛室に入ります。
年季の入った堂々たる恰幅の助産婦さんが笑顔で待ち構えています。
心拍数のモニタリングのベルトをつけられて、「破水はした?」と聞かれたので
「まだだと思います。」というと無言で容赦なく足を開かされ長い棒のようなものを突っ込まれます。
「ちょ、ちょ、ちょ待って、うぎゃああああ!」
ドッバーと破水。
軽く2リットルはあったんじゃないか・・・?
そんな怒涛のような渦中の中、私達は重要なことを思い出しました。
5時半にアブリルの術後の様子を見る予約が入っていたのです。
そこで傷跡の消毒の仕方などを教わる予定だったのです。
ミ・「アルバロ!アブリルの予約!」
ア・「分かってるけど物事には優先順位ってあるだろっ!」
ミ・「だめだめだめ!ももちゃんには私がついてるけどアブリルはひとりきりなのよっ!」
この後の及んでそんなやり取りの後、
アルバロ男爵の仕事の後輩の男の子がアブリルを獣医に連れて行ってくれることになり、
ほっと一安心。
ア・「アブリルは大丈夫だからとにかく今はお願いだから出産に集中してくれ。」
ミ・「分かった!よっしゃーそれじゃ気合入れて生みまっせー!」
ア・ミ・「えいえいおー!」
そこで麻酔医のお姉さん登場です。
(ももちゃん誕生秘話3に続く・・・)
ミズエ