野外パエージャ | ピアソラの蜜柑

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オレンジの街での生活

昨夜は、元レディースの総長エストレージャの地元のお祭りで野外パエージャ大会でした。


私はサンティとタンゴ・イ・トゥルコで9時に待合わせをしていました。

すると招待されてもいない人間が独特の嗅覚でわらわらと集まり、

「自分もいく!車は何台あるっけ?」

などと言い始めます。


あんたら呼ばれてないじゃん・・・・。


ま、ここらへんはスペインの器の大きな所(悪く言えば適当)で、

呼ばれてもいない人間が続々と集まってきても、総長のエストレージャは当たり前のような顔をして

「良く来てくれたわねー!」

と歓迎してくれます。


さすが総長。


総長の地元なので「俺ら昔はとんがってたゼ!」みたいな、でも実はとても気のいい子分達が総長を囲み

いそいそと薪を組み火を熾しています。


総長は美しい金髪を一筋も乱すことなくそれを仁王立ちで腕を組んで監督しています。


さすが総長。



野外パエージャの作り方いきます。

(このパエージャ鍋は10人分幅1メートル以上あります。)


まずはパエージャ鍋を火にかけ、オリーブオイルを揚げ物ができるくらいたっぷり注ぎ、熱します。



煙が出るくらいオイルを熱したらまずウサギの肉を炒めます。

炒め揚げるといった感じ。

ウサギの肉が黄金色になったら白いんげん、緑いんげんを加え更に炒めます。



次に水煮のトマト缶を加えます。



材料がじゅくじゅく煮立ってきたらミネラルウォーターを加えて沸騰するまで煮ます。



パエージャ鍋が万遍なくリズム良くぽこぽこ沸騰してきたらお米とサフランを加えます。

(この鍋では2キロのお米を入れました)



ここからは弱火でじっくり時間をかけるために余分な薪はどけ、炭で炊き上げるのがベスト。



お米に細く芯が残っている状態で火からあげ、新聞紙をかぶせて蒸らします。



10人前パエージャの完成!




総長の指揮の下、完成したパエージャは完全無欠の出来でした。

お米は完璧なアルデンテ。

細く細くかすかな芯が残ります。

塩加減もピタリと完璧。

底のオコゲがまた香ばしくて素晴らしく美味しいです。


バレンシア原人のパエージャにかける気迫はやはり違います。


総長の出す指示に一瞬で答える子分達のあの無駄のないスムーズな動きを見ていると

きっと子供の頃から仕込まれているんだろうなぁ、と感動してしまいました。


まるで完璧な統制のとれた軍隊の仕事をみているようでした。


バレンシア原人万歳!


ミズエ