パパ小児科医のブログ

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小児科医で一児の父が日々気づいたことをブログにします。


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発達の遅い早いに良いも悪いもない

 

先日たまたま見たツイートにこんなものがありました。

運動発達が比較的早いお子さんのママが、他のママから「発達早くてかわいそう。うちの子みたいに平均がいいのに。」という内容のことを言われたというものです。

 

これには少々驚きました。

 

発達がゆっくりな場合に親が周囲からネガティブなことを言われてしまうことは、しばしば耳にします(もちろん不適切なことです。)

 

でも逆に発達が早いことに対してネガティブなことを言われる人がいるなんて思いませんでした。

 

乳児健診でみる「発達」ははたして平均的かどうかを見ることが目的でしょうか?

 

 

乳児健診には疾患の早期発見や、育児相談、ワクチンの啓蒙や虐待のリスクが高い家庭の早期発見など様々な目的があります。

 

その中で発達についてみる目的は主に2つと考えます。

 

➀疾患の早期発見

➁発達段階に合ったアドバイス

 

これらについて詳しくみていきたいと思います。

まず発達の遅い早いは何を基準にしているのでしょうか。

多くの小児科医は下記の「デンバー式発達スクリーニング検査」を参考にしています。

 

これはある月齢の時点でどのくらいの子ができているかどうか=通過率を見ることができます。

例えば下の方「粗大運動」のところの「寝返り」をみてみると、4ヵ月すぎで25%くらい

7か月時点では90%くらいが通過しています。

ですので7か月を超えて寝返りをしていないと少し遅いかな。

4ヶ月で寝返りをしていたら少し早いかなという印象です。

5,6ヶ月で通過する子が多いのでそのあたりが平均的なところでしょう。

 

ただそれだけのもので、遅いから悪い、平均的だから良いという性質のものではありません。

その時点でやや遅くても、多くの場合はいずれ通過するものです。

ただある時点で運動発達の遅れがみられた子を追跡していくと、一部に原因となる疾患が存在する場合があります。つまり筋肉や神経の病気などがあると運動発達の遅れがみられます。

その問題に早く気付くことが健診の一つの目的です。

また運動発達だけでなく消化器や循環器など他のところにも問題を抱える場合があり、それらに早く気付くことにも役立ちます。

 

 

ある時点で遅いとか早いとかがわかれば、その段階に合わせたアドバイスをしていきます。

一般的にはある段階から次に進むときは少し前の段階を充実させてあげることが大切です。

例えばハイハイをしない場合は、少し前の段階のうつぶせの練習をしたり、お座りを安定させる充実させることをしていきます。

ただ「様子をみましょう」では次につながらないので、

いつまで何をしてすごすかを明らかにしなければなりません。

その段階にあったことをして発達をうながしていくことがもう一つの目的だと思います。

 

発達が遅いということに親が不安がるのは自然なことで、「平均的」と聞いて安心するのは自然な感情だと思います。

我が子は1歳5ヶ月まで歩きませんでしたから、私も不安を感じました。1歳半健診の直前で歩きだして安堵した記憶があります。

でもそれはあくまで親の個人的な感情であって善も悪もなくて、他人から遅い(早い)のは良くないなどと評価されるようなものではないです。ましてや親のせいなどと責められる筋合いもありません。

 

身長や体重に個人差があるように、

発達が遅い子、早い子がいます。当然のことです。

何らかの疾患をかかえて次の段階に進みにくい場合もあるでしょう。

その子にとっての良い未来にするためには何をすべきかを明らかにすることが本当に必要なことだと思います。

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