多根周作オフィシャルブログ「棚から牡丹餅」powered by アメブロ-赤星


『ハイカラ』の本番中で書きそびれてしまったけれど。


阪神タイガースの赤星憲広 外野手が現役の引退を発表した。





本番前で、休みも少なかった中だったので


ケータイのニュースでその文字を確認した時は


俺も相当疲れてるなと笑いそうになった。





家でテレビを見る余裕もなく


次の日出先で配送されてきたケータイニュース


(大体スポーツニュースか経済ニュース)を見て


見間違いではない事を確認した後も


日々の本番に忙殺されてその事に思いをめぐらせる事もなかった。






本番が終わり。


松井秀樹のエンジェルズ入団やバルセロナのトヨタカップ優勝やらで


あっと言う間にかき消されてしまったRed Starの


しかし決して軽弾みに出来ないこのニュースを


今静かに思い返している。








僕はタイガースファンだけど。


タイガースファンはあまり好きじゃない。


それよりも何よりも野球ファンだという事に最近気づいたりもし。


でも爺ちゃんの代からのタイガース党というのはもう


DNAの奥底に埋め込まれているみたいで。


もうね、身内なんですわ。親戚、みたいな。


どんなに嫌っても家族という関係は変えられない、みたいな。






そんな、僕にタイガースのDNAを注入した爺ちゃんは


7年前に亡くなった。


ヘビースモーカーだった爺ちゃん。


肺気腫と診断されてからは煙草をやめたけど


やがて酸素吸入器が手放せなくなり


最後の数年は起き上がるのも大変そうだった。






爺ちゃんが唯一楽しみにしてたのがタイガースの試合で。


爺ちゃんの機嫌の善し悪しでタイガースの途中経過も試合結果も分った。


まぁ水戸黄門も好きだったけど。





7年前の死ぬ前の日もサンテレビで生中継されてるタイガースのナイターを見てた。


闘将・星野仙一を擁しペナントレースに挑んだタイガースだったが


その年の成績は4位と振るわず。


でもその試合、タイガースはジャイアンツにサヨナラ勝ち。


その試合を見た爺ちゃんは「ようやったようやった」ってそれだけ言って


そのまま眠るように亡くなった。






その日サヨナラのセンターオーバータイムリーを打ったのは


けがから復帰して間もないプロ入り2年目の赤星憲広。


舞台の本番後に見たその日のスポーツニュースのダイジェストが


妙に頭にこびりついてる。





知らせを聞き、本番が終わった後、生まれて初めて夜行列車に飛び乗って


兵庫の山奥の盆地に帰った時


親戚のおばさんからそのサヨナラタイムリーの話を聞いた。


プロ野球選手を、赤星憲広選手を、偉大だと感じた瞬間だった。





偶然かも知れないけれど翌シーズンの同じ日


赤星はまたもやサヨナラタイムリーを放ちその日にタイガースはリーグ優勝。


爺ちゃんの一周忌の供養にこれ以上のモノはなかった。







そんなこんなで


いつしか赤星は僕の中では特別な存在になっていて。


引退を聞いてもなんだかすぐにリアクションを取れない自分がいて。






本番が終わった今、静かに思い返している。


遅れ馳せながら色んなニュースを読んで、それに頷くでもなく、批評するでもなく。






ただ一言、言いたいのは。


ありがとう。そして、お疲れ様。









ペタしてね




人気ブログランキングに参加してます。
↓一日一回、ポチッとよろしく!