93Z7KA593sh0001_El_I.jpg 平日といえども夜の渋谷駅は大混雑。
自分の歩く場所以外はすべて他人で埋め尽くされている感じ。


これだけの人が自分と同じ様に、人生を背負い、
思い、考え、悩んでいる。
凄い。凄い事だけど、考えただけでパンクしそうだ。
あー、早く鎌倉帰りたい・・・。


しかしながらこれだけの人がいると、
中には知ってる人がいたりする訳で。
学生時代の友人とかに偶然出会ったりすることも有り得なくない訳で。6年ぶりに、とかね。例えば。


走り抜ける人ごみの中、一人僕と並んで懸命に覗き込もうとしていたのは、学生時代に
共に演劇をやっていた坂東君だった。

大学時代。僕は英語劇をやってた。言ったけど。英語を使って活動してるサークルは各大学にあって、横の繋がりもあったりして。その最たる例が、MP(モデル・プロダクション)。いろんな大学や専門学校から人間が集まってきて、英語のミュージカルを作ろうって言う団体。本番は勿論、練習中も、会話、台詞、全部英語。これは大変である。初対面から英語なのだ。一応練習が終わると日本語解禁なんだけど、それでも英語で話してる時間のほうが圧倒的に長い。最後の打ち上げで「なんか日本語で話してるね~俺たち!」なんて傍から見ると意味の分からない事で盛り上がってたりして。大変だった分、絆も深まった。そんな一人と偶然再会。6年振りなのに当時のあだ名が瞬時に出てくるのには自分でも驚いた。そのまま同じ電車に乗り、思い出話に花が咲く。坂東君はまだ学生だった。知らない間に大学院の博士課程まで行ってる。アフリカにマラソンしに行ったりしてる。らしい。今年度で博士課程も修了。でもはっきりとは決まってない将来。かれはしかし、それさえも楽しんでいるようだった。「これからどうするの」「わかんない。でも何とか生きていけるよ」そりゃそうだろうけど、と言い掛けて飲み込んだ。そうだよな。僕は何にとらわれてたんだろうか。何とか生きていける。フィールドは違うけど、生きることを楽しまなくちゃ。ピンチを喜ばなくちゃ。「~しなくちゃ」なんて思うのやめなくちゃ。・・・。やめます。横浜駅で再会を誓って別れた後、懐かしさに混じってなんだか言いようのないパワーがみなぎってきた。渋谷駅。たまにはいい事するじゃん。