僕はアンパンマンを子供と見るたびにすごく疑問なんだけど、

 

どうしてバイキンマンは

ドキンちゃんの言いなりなの?

 

 

 

 

 

バイキンマンは非常に優秀な孤高の科学者で

ジャムおじさんがアンパンマンを作ったわけではない(空から降ってきた)ことを考えると

この世界で最も優れた天才科学者であると言えます。

 

対してドキンちゃんは

バイキンマンがやられると何もせずに慌てて退却することから見て

なんの能力も持たないただのワガママばい菌のようです。

 

にもかかわらず

この二人の中では完全にドキンちゃん支配者、バイキンマン下僕なのです。

 

 

 

バイキンマンの悪事の半数以上は

ドキンちゃんの命令を嫌々ながらこなしているという状況で

(やっていくうちにバイキンマン自身が積極的に加担していくということはあるにしても)

おそらくドキンちゃんさえいなければ

ひょっとするとバイキンマンはこつこつ開発を続けられて

あるいはエジソンのような立派な発明家として後世に名を残せたのかもしれません。

 

 

 

 

 

こうしたねじれた力関係を生む一番ありきたりの関係は

ふたりが恋愛関係にあることでしょうが

バイキンマンはドキンちゃんが食パンマンが好きなことを面白く思わないながら

諦めて容認して見えるところから

どうも一般によくある恋愛関係による主従関係ではなさそうなのです。

 

 

 

 

 

これは根拠のない僕の仮説ですが

バイキンマンのドキンちゃんへの忠誠にも似た愛情?はもっと骨絡みの

娘とか妹に見せるもののように思えます。

 

おそらく何か重大な負い目があるのではないでしょうか?

 

 

①自分のせいで死んだ親友の妹(娘)。

冴羽僚は殺害された槇村の妹を新しい相棒にした(「CITY HUNTER」より)

 

 

 

 

②自分が殺した男の娘。

 

 

 

 

③自分の父がないがしろにした異母妹。

 

 

 

 

 

どれかだと思いますが

こればかりは本人でないと分かりません。

 

ドキンちゃんがその事実を知らない可能性もありますね。

 

ドキンちゃんはバカそうなんで

自分がどうしてそんなに言うこと聞いてもらえるかも深く考えていないのかもしれません。

 

あるいは

知っていてあえて復讐のため苦しめようと無理難題を次々課しているのかもしれません。

 

とにかくアンパンマンがまず滅ぼすべきは

ドキンちゃんでしょう。

 

 

 

ドキンちゃんを失った後のバイキンマンがどっちに転ぶかは大きな賭けですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで話は変わりますが

よく子供と一緒にアンパンマンを見ている人で

子どもはアンパンマンが大好きだけど私はむしろバイキンマンの方が」ということを

言う大人がいますね。

 

 

僕ははっきり言いますけど

それは絶対に間違っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜならば

バイキンマンは間違いなくカスだからです。

 

 

 

 

確かに、バイキンマンはお人好しなところも多くあり

根は善良そうに見えます。

 

前述のように

悪事の多くはドキンちゃんの指令によるものなことも否めません。

 

 

 

 

しかしながらこいつには

悪事へのブレーキがありません。

 

こいつのする悪事は

自分が腹が減ったら見境なく人の食品を奪い去り

しかもそのときはふんじばり殴りつけ

阻止されたら逆上し暴れ出したり

子供を機関車ごと崖の下に笑いながら落っことそうとしたり

自分が楽しむためにその道のプロたちを誘拐したり

邪悪の極みのような行為ばかりですが、何が恐ろしいって罪悪感が全くないことです。

 

こいつは

窃盗、横領、詐欺、誘拐、傷害、監禁、殺人未遂、を日常的に行っていますが

罪の意識なく、普段の気持ちのまま行うのです。

 

だからむしろ

お人好しのところがあったり根が善良なことが逆に怖いのです。

罪の呵責を感じずに平気で大変な悪事を行うのですから

こいつこそが

承太郎の言う「吐き気のする悪」であり

ジョルノの言うところの「悪の限界のない男」なのです。

         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

確かに、大人から見るとアンパンマンは気持ち悪いんです。

 

「僕の顔をお食べよ、さあ、さあ!僕、正義だから!自分を犠牲にするんだ!」

 

 

 

 

 

大人は、自分に何かあったときは正義の味方の出現を望む癖に

正義そのもの、自分の正義を迷わずに信じている存在を見ると

嫌悪感とか忌避感が噴き出してくるものです。

 

 

 

 

アンパンマンと双璧をなす

迷いなく「正義」を行使する存在といえばゲゲゲの鬼太郎でしょうが

 

水木しげるも、大人向けの「鬼太郎」の中では(広い世界にはそういうものも存在するのです)

妖怪たちに「例の単純な子供」と鬼太郎を呼ばせ

鬼太郎が妖怪たちからは白け、軽侮されていることを表現していました。

 

 

 

 

 

 

おそらく「大人」とは

「自分が正義になりきれないと気づいた人」の別名なのでしょう。

 

いわゆる汚れちまった悲しみというやつで

大人は自分たちが真っ白な正義ではないことに気付いています。

この世は正義だけで生きていけないんだと思っています。

 

だからこそ

自分を正義だと信じ切っている存在を見ると

嫌悪し、バカにし、少し気持ち悪く思うのです。

 

そしてこの気持ち悪さには一抹の恐怖も入っているのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に

大人である漫画家たちが創造した

少なくとも自分を正義の味方と考えていないヒーローたちを見て終わりましょう。

 

 

 

 

鬼切丸

鬼切丸は角のない鬼で、人間になりたくて仕方ない。(何故かはわからない)

あるときどこかで誰かが言っていた「この世の鬼全部を滅ぼせば人間になれる」という話を

信じて鬼を切り殺し続ける。

しかし鬼は木の股からも人の気持ちからも生まれるので増えていく一方。

しかし鬼切丸はいつか人間になれることを信じて鬼を切り殺し続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

アーカード

アーカードはヘルシング卿に使役される使い魔的な存在だが

なぜ従ってるのか不明瞭で、自分の趣味で仕えてるのじゃないかと思わせる。

彼の趣味としては主人を守れればそれでいいので

それ以外の存在は、人間も化け物もいくらでも殺して回る。

 

 

 

 

 

 

 

ミギーと新一

ミギーは本来、人間を滅ぼすために生まれた存在だが、宿主の脳を奪うのに失敗したため

寄生主である新一の命を守らなければいけなくなってしまった。

新一自体は当然、人間なので人間を守ろうとする。

結果ミギーは、命の源である新一を守るため、同族である他の寄生体を殺して回ることになる。