次女も高校を卒業し、無事に就職にも就いて初めて給与を貰ったとき、明細を持ってきて私に見せてくれました。
次女はとても嬉しそうでした。
長男の時と同じように、次女は義母を除いた全員を食事に誘いました。
次女は食事の時に
「お父さん、免許をとるときと車のお金、ありがとうございました」
と頭を下げました。
夫は少し恥ずかしそうに
「長女も長男も同じように出してやったから気にしなくていい」
と答えていました。
お酒を飲んで上機嫌な夫を見て思ったことがありました。
この人はこんな顔をしていただろうか?
こんな笑い方をする人だった?
見慣れた夫なのに不思議な感覚だったのです。
暫く経ったある日、次女が
「私、ババァが来る前のお父さんがどんなだったか全く思い出せないんだけど。覚えてる?」
そう聞かれたことがあったのです。
私も次女と同じでした。
義母が来る前の夫がどんな夫だったのかあまり覚えていませんでした。